【ドラフト】2025年の指名結果と評価

ドラフト2025の指名結果と評価をまとめました!

例年は点数やらABCやらで評価を付けてきましたが、今年は各球団概ね狙い通りのドラフトが出来たように感じ、差別化も難しかったので、特に点数等は付けませんでした。

Pは左投を意味。

ヤクルトスワローズ

ヤクルトの指名結果
順位 指名選手 所属
1位 松下歩叶 IF 法政大
2位 松川玲央 SS 城西大
3位 山埼太陽 P 創価大
4位 増居翔太 P トヨタ自動車
5位 鈴木蓮吾 P 東海大甲府高
6位 石井巧 SS NTT東日本
7位 飯田琉斗 P ENEOS
育成ドラフト
1位 小宮悠瞳 P 川崎総合科学高

野手連発スタートで、変わりつつある予感

よく投手が補強ポイントだと、固定概念のように言われますが、現状は野手の方がヤバいとの認識。そのため、野手1・投手1が限度だと見ていた上位指名で、野手指名の連発スタートを切れたのは好印象を受けました。支配下を7人指名したことも含め、良い意味で変わりつつある予感を抱きました。

松川や山埼とコンディションに不安を残す大学生の素材を前半に確保した一方、そのフォローをするかのように、増居・石井・飯田と後半に社会人でバランスを取った動きにも好感。加えて、得意分野になりつつある高校生左腕の好素材を2枚確保した点も、抜け目のなさを感じました。

ただ、最後に1つ注文を付けるならば、やはり立石から行って欲しかったとの気持ちは拭えません。村上宗隆のMLB挑戦により、当面は再建的な時期を過ごす可能性が高いからこそ、松下以外の大砲候補の指名を考えても、良かったのではないでしょうか。

ロッテマリーンズ

ロッテの指名結果
順位 指名選手 所属
1位 石垣元気 P 健大高崎高
2位 毛利海大 P 明治大
3位 奥村頼人 P 横浜高
4位 櫻井ユウヤ 3B 昌平高
5位 冨士隼斗 P 日本通運
6位 岡村了樹 C 富島高
7位 田中大聖 P Honda鈴鹿
育成ドラフト
1位 中山優人 P 水戸啓明高
2位 髙橋快秀 P 独立L・徳島
3位 杉山諒 OF 愛知学院大

ロマンと手堅さのバランスが絶妙

高校生No.1投手である石垣のくじを当てたことを皮切りに、高校生No.1左腕の奥村、高校生No.1スラッガーの櫻井と、今年の高校生の美味しい素材を総取り。一方、大社ではマリンに合いそうな毛利、社会人右腕では高い評価を受けていた方である冨士や田中大聖の両取りと、こちらでも巧みな指名を披露。ロマンに振りながら、バランスも意識された絶妙なドラフトだったと思います。

上位復帰へ向け、特効薬となる部分は少ないかもしれません。がしかし、高校生投手の育成には長けているチームなので、石垣や奥村がどう大成していくかはワクワク感しか抱けず、数年後にこのムーブが正解だったと言える可能性は存分に秘めています。後は、既存の和製大砲たちの再現性さえ高められれば、上位勢の脅威となるのに、それほど時間はかからないのではと期待しています。

広島カープ

広島の指名結果
順位 指名選手 所属
× 立石正広 IF 創価大
1位 平川蓮 OF 仙台大
2位 齊藤汰直 P 亜細亜大
3位 勝田成 2B 近畿大
4位 工藤泰己 P 北海学園大
5位 赤木晴哉 P 佛教大
6位 西川篤夢 SS 神村学園高 伊賀
7位 髙木快大 P 中京大
育成ドラフト
1位 小林結太 C 城西大
2位 岸本大希 SS 独立L・徳島

育て上げられるかが問われる、勝負の指名

いの一番に公言した立石とは残念な結果に終わりましたが、外れ1位でもこの方針を続け、立石に並ぶロマン砲の平川を指名。一方、投手では外れ1位筆頭と見られた齊藤や健康なら1位で消えてもおかしくない髙木と、ドラ1級の潜在能力を有す右腕を2枚獲得。加えて、工藤や赤木と天井の高い右腕も確保し、投手ドラフトでありながら、良い心地のドラフトが出来たのではと評価しています。

ただ、手堅い部分で言えば、齊藤の角度ある投球と勝田の野球IQの高さぐらいしか挙げられず、実際に育て上げられるかが、大いに問われる指名に。かつて優れていた打者育成は最近錆び付いており、右腕育成ではようやく菊地ハルンという成功例を得られそうですが、それまでに多くの失敗が重なってきたことは無視できません。「育成のカープ」の狼煙を再度上げるには、良い勝負のかけ方だと思いますが、育成での成果を挙げなければ意味をなさない指名であることは、留意しておきたいです。

西武ライオンズ

西武の指名結果
順位 指名選手 所属
1位 小島大河 C 明治大
2位 岩城颯空 P 中央大
3位 秋山俊 OF 中京大
4位 堀越啓太 P 東北福祉大
5位 横田蒼和 SS 山村学園高
6位 川田悠慎 UT 四国銀行
育成ドラフト
1位 新井唯斗 SS 八王子高
2位 今岡拓夢 SS 神村学園高
3位 斎藤佳紳 P 独立L・徳島
4位 濱岡蒼太 P 川和高
5位 平口寛人 P 日本経済大
6位 正木悠馬 P 上智大
7位 安藤銀杜 OF 独立L・徳島

上位への欲が見え隠れ?

小島の公言は面白い一手だったと思いますが、その後は置きに行ったようなピンポイントな指名も見られ、再建というよりは上位への欲も見せ始めているのかなと思いました。ただ、中位からは潮目が変わり、球界屈指の剛腕・堀越を予想外の順位で拾ったのに加え、下位から育成にかけては有望な高校生ショートを3人も獲得。ライオンズらしいロマンに振った動きでありながら、美味しいタイミングで指名できた候補も多く、羨ましい限りです。

ただ、やはり投手指名では気になるところも。有力候補が少なかったとはいえ、育成上手な高校生投手が濱岡だけなのは寂しく感じ、また代わりに取った支配下の大学生が、ともにリリーフでとどまってしまいそうなタイプなのも気がかりです。今井らが残留するなら納得できるムーブですが、もし主力投手の流出が続くのであれば、少し時期尚早にも感じる投手指名に見えます。

中日ドラゴンズ

中日の指名結果
順位 指名選手 所属
1位 中西聖輝 P 青山学院大
2位 櫻井頼之介 P 東北福祉大
3位 篠崎国忠 P 独立L・徳島
4位 能戸輝夢 OF 明秀日立高
5位 新保茉良 SS 東北福祉大
6位 花田旭 OF 東洋大
育成ドラフト
1位 牧野憲伸 P 2軍・オイシックス
2位 石川大峨 3B 掛川西高
3位 三上愛介 OF 独立L・愛媛

ロケットスタート後、トーンダウン

中西、櫻井を2枚抜きした時には、2年連続の神ドラフトもあるぞと心躍りましたが、全体的にはトーンダウン。補強ポイントや編成面の穴をバランスよく埋めたと言えば、聞こえは良いのですが、決め打ちのような悪癖を感じる指名も幾つかと。昨年見られた勝負師ばりの指名を今年も期待していただけに、個人的にはちょっと物足りない出来に感じてしまいます。

特に、気になるのが投手指名。中西と櫻井の補強でローテ事情には明るい材料を得ましたが、一方で相変わらず量が心許ない。また、その後リリーフ型の指名に移ってしまったのも不満な点です。他球団なら他に投手補強を考えているのかなと、多少の擁護が浮かびますが、この球団はそうした淡い期待を何度も裏切ってきたので、この尻すぼみな投手指名には不安感を拭えません。

ただ、花田のようなロマン砲を一撮み出来るのは、現体制の良いところ。一昨年以前の指名と比べると、雲泥の差であることは強調しておきたい点です。

楽天ゴールデンイーグルス

楽天の指名結果
順位 指名選手 所属
1位 藤原聡大 P 花園大
2位 伊藤樹 P 早稲田大
3位 繁永晟 2B 中央大
4位 大栄利哉 C 学法石川高
5位 伊藤大晟 P れいめい高
6位 九谷瑠 P 王子
7位 阪上翔也 OF 近畿大
育成ドラフト
1位 幌村黛汰 OF 独立L・富山
2位 大坪梓恩 OF 独立L・石川
3位 中沢匠磨 P 白鴎大
4位 金子京介 1B 神奈川大
5位 島原大河 C 独立L・愛媛

職人気質を集めた優等生ドラフト

ローテの強化に藤原や伊藤、投手陣のバックアップに九谷、内野陣に繁永といったように、補強ポイントを着実に埋めたドラフトでした。ただ、良く言えば職人気質が揃った指名、悪く言えば正直しょっぱい人選に見えちゃいます。藤原・大栄・阪上の尖りが上手く活かせれば、また違った感想になるかもしれませんが、果たしてどうなるでしょうか。

現有戦力に大幅なプラス材料があったり、上位勢との距離が僅差であれば、もっと評価できるのですが、上位との差を埋められる爆発的な材料は安田悠馬の復活ぐらいでしょう。こういった優等生なドラフトを行えるのが、石井GMの良さではあるものの、優勝へ至るには野心的な勝負手も求めたいところです。

読売ジャイアンツ

巨人の指名結果
順位 指名選手 所属
1位 竹丸和幸 P 鷺宮製作所
2位 田和簾 P 早稲田大
3位 山城京平 P 亜細亜大
4位 皆川岳飛 OF 中央大
5位 小濱佑斗 SS 沖縄電力
6位 藤井健翔 3B 浦和学院高
育成ドラフト
1位 冨重英二郎 P 独立L・神奈川
2位 林燦 P 立正大
3位 松井蓮太朗 C 豊橋中央高
4位 河野優作 P 愛知学院大
5位 知念大成 OF 2軍・オイシックス

今年も相変わらず独自路線

素直に評価できるのは、竹丸の即戦力具合と冨重&知念の指名はアマ球界にとって大きな一歩になったことぐらい。全体的に相変わらずの独自路線ぶりを如何なく発揮しており、正直評価に迷うところも多いです。

ただ、こうした独自路線を当ててきたのが、近年の巨人でもあります。サイド右腕の見立てが上手いチームなので、田和には大きな可能性を抱いているのかもしれません。また、山城が左のエース、皆川が打てるセンター、藤井が次世代の大砲といったように、中位以降のロマン感は個人的に嫌いではありません。

だからこそ、序盤の置きに行ったピックには、どうしても物足りなさを抱いてしまいます。直前に岡本和真のMLB挑戦が正式発表されたのなら、尚更正攻法で行って欲しいと願ったファンも多かったでしょう。

オリックス・バファローズ

オリックスの指名結果
順位 指名選手 所属
× 石垣元気 P 健大高崎高
1位 藤川敦也 P 延岡学園高
2位 森陽樹 P 大阪桐蔭高
3位 佐藤龍月 P 健大高崎高
4位 窪田洋祐 OF 札幌日大高
5位 髙谷舟 P 北海学園大
6位 石川ケニー P 米・ジョージア大
7位 野上士耀 C 明秀日立高
育成ドラフト
1位 三方陽登 OF 独立L・栃木
2位 シャピロ・
マシュー・一郎
P 独立L・富山
3位 中西創大 SS 日星高
4位 渡邉一生 P 仙台大

ロマン全振りのドラフト

投手さえ万全なら、もう少し上に行けてただけに、近視眼的な投手ドラフトを行うのかなと見ていました。がしかし、いざ蓋を開けてみれば、同じ投手主体ではあったものの、まさかの高校生投手乱獲スタート。加えて、中位以降の高校生野手や大学生投手にも楽しみな素材を確保していき、極め付きは逆輸入の石川ケニーと、とにかくロマン株の獲得に奔走したドラフトとなりました。昨年とは打って変わり、高校生大好きなバファローズが帰ってきたことも嬉しく、これらの素材をどう成長させて行くのか非常に楽しみな指名でした。

とは言いつつ、上り調子の打撃陣とこの高校生たちの大成が、微妙に噛み合わない気もするので、そこのギャップの穴埋めは気になるところ。折角、上位と渡り合える空気を取り戻せただけに、ここまでロマンに振ってしまうのは、勿体なさやら怖さやらといった感覚も覚えます。

DeNAベイスターズ

DeNAの指名結果
順位 指名選手 所属
× 佐々木麟太郎 1B 米・スタンフォード大
1位 小田康一郎 IF 青山学院大
2位 島田舜也 P 東洋大
3位 宮下朝陽 SS 東洋大
4位 片山皓心 P Honda
5位 成瀬脩人 SS NTT西日本
育成ドラフト
1位 清水詩太 3B 京都国際高

動作解析との化学反応がより楽しみな指名

佐々木に行った点を除いても、今年は面白い指名だったと思います。野手では、小田や宮下と主力陣の後継者を狙える強打者候補を押さえつつ、二遊間のフォローに成瀬を入れておく周到さ。一方の投手は、篠木健太郎の好感触を受け、高校の後輩でもある島田を指名し、オールドルーキーの片山に白羽の矢を立てたのも抜け目ないところ。投打ともに、勝負手と手堅さのバランスの良さを感じる指名でした。

また、粗削りな素材である島田や宮下を持ち味の動作分析で、どう磨いていくかも注目したいところ。この強みによって酷評された昨年のドラフトを成功に導きかけている訳ですが、今年は更にリターンの大きい好素材に挑むため、彼らを大成させた暁には、更なる高評価をもたらす可能性も秘めています。

日本ハムファイターズ

日本ハムの指名結果
順位 指名選手 所属
× 立石正広 IF 創価大
× 平川蓮 OF 仙台大
1位 大川慈英 P 明治大
2位 エドポロ・ケイン OF 大阪学院大
3位 大塚瑠晏 SS 東海大
4位 半田南十 SS 日大藤沢高
5位 藤森海斗 C 明徳義塾高
育成ドラフト
1位 常谷拓輝 SS 北海学園大
2位 横山永遠 P 青森中央学院大

外れ外れから何とか挽回

今年のドラフトは外れの連鎖に巻き込まれたら、途端に負け組となってしまいかねない怖さを有していました。現に、良いリリーバーではあるものの、外れ外れ1位で大川に行った時には、ファイターズ大丈夫かとかなり心配していました。ただ、その後は野手ドラフトで挽回。次世代の大砲候補にエドポロ・ケインを確保すると、センターラインも立て続けに強化。守備型や巧打型に寄ったのはファイターズらしくない印象も受けますが、市場や編成のバランスを重視した動きなのかなと、好意的に見ています。

一方で、唯一気がかりなのが、先発投手を獲得しなかった点。若手投手の戦力化に長けたチームなので、既存の投手陣で十分賄えると見ているのかもしれませんが、1枚は積んでおきたかったところであります。

阪神タイガース

阪神の指名結果
順位 指名選手 所属
1位 立石正広 IF 創価大
2位 谷端将伍 IF 日本大
3位 岡城快生 OF 筑波大
4位 早瀬朔 P 神村学園高
5位 能登嵩都 P 2軍・オイシックス
育成ドラフト
1位 神宮僚介 P 東京農業大
北海道オホーツク
2位 山崎照英 OF 独立L・兵庫

黄金期が更に更に眩しく

岡田監督になってからは投手補強を軸にしており、藤川監督もその流れを汲む感覚の人だと見ていました。また、才木浩人のMLB挑戦が噂され、意外と投手の枚数が安泰ではないため、立石の後は投手ドラフトに切り替えると予想していました。

がしかし、立石の獲得に成功したにもかかわらず、野手指名をまさかの継続。立石で止まらず、谷端や岡城も加えたことで、どのポジションの主力陣もバックアップ体制がかなりかなり厚くなりました。シームレスな世代交代により、黄金期の長期化も視野に入る勝負手であり、早くから白旗を挙げざるを得ない動きにも感じます。恐れ入りました。

ソフトバンクホークス

ソフトバンクの指名結果
順位 指名選手 所属
1位 佐々木麟太郎 1B 米・スタンフォード大
2位 稲川竜汰 P 九州共立大
3位 鈴木豪太 P 大阪商業大
4位 相良雅斗 P 岐阜協立大
5位 髙橋隆慶 3B JR東日本
育成ドラフト
1位 池田栞太 C 関根学園高
2位 江崎歩 SS 福井工大福井高
3位 大矢琉晟 P 中京大
4位 大橋令和 SS オイスカ浜松国際高
5位 鈴木貴大 OF Club Rebase
6位 長﨑蓮汰 P 滋賀学園高
7位 エミール・
セラーノ・プレンサ
OF 幸福の科学学園高
8位 大山北斗 P 中央大 (準硬式)

強者の余裕な動き?

まず、あのポスティングを認めていないホークスが敢えて佐々木に行ったことは、色々含蓄を感じる動きです。実際に入るかどうかは、おそらく本人すら現段階で決断できていないでしょうし、ここについてはまあ様子見としか言えません。ただ、まだ盤石さを保つホークスがこういった動きを見せたことに、強者の余裕やら矜持やら、中々一言では表せない感覚を覚えます。

一方で、佐々木の指名権獲得で有耶無耶になりかけていますが、2位以降は割と不思議な動きを披露。強者故に欲しい投手をただ集めただけとも言えますが、全体的なコンセプトは自分では図りかねるところ。また、コーナー野手を雑に扱ってきた経緯から、急に髙橋の指名で野手陣へ保険をかけたのも、あまり整合性が取れていない動きに見えます。他球団がやったら酷評は免れない指名の数々に感じ、佐々木の話題にかかわらず、どう評価して良いのか分からない難しいドラフトとなりました。

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