ドラフト2025の大学生野手を紹介!
大学生野手の注目候補を9選手ピックアップしました。また、各候補毎に指名順位の予想も追記しています。
※候補の基本情報は以下の並び。
守備位置、所属、打ち方、身長
身長については媒体によって誤差もあるため、あくまで参考程度に受け取って下さい。
小島大河
C・1B、明治大、右打、179cm
貴重な打てる捕手候補
打撃では、特にコンタクト力が優れており、アベレージはプロでも十分に期待できます。ただ、大きく上げるレッグキックやローボールヒッター、ホームランが引っ張り方向中心など、幾つかの癖も見られるため、長打力の再現に関しては様子見。個人的には、天才的なホームランを度々見せるも、スラッガーとまでは評せない本数でとどまるタイプだとイメージしています。
一方、最大の懸念は守備面で、プロでも捕手を続けられるかが焦点に。心許ない部分も多く見受けられるため、捕手単体で考えない球団も多いのではと、現状では見ています。とは言え、前述のように打力に魅力が溢れる候補なので、捕手のまま投資する価値は十分ありますし、コンバートを考えやすいタイプなのも大きな強み。他の強打者候補とは異なる選択肢を有すため、最上位の評価を受ける可能性も十分あるでしょう。
予想順位:1位濃厚
近年1位指名された捕手は限られているため、従来は2位が基本線だったと思います。ただ、今年は1位候補が薄いため、外れ1位でのピンポイントな指名は大いにあり得、最初の入札で選ばれる可能性も否定できません。
立石正広
3B・2B、創価大、右打、180cm
人気No.1確実の大砲候補
頭一つ抜けた打球速度や逆方向にも飛ばせるスラッガーぶりを見てもらえれば、佐藤輝明 (阪神)の右打者バージョンと評されるのも納得でしょう。2年次のブレイク後は厳しいマークにあい、豪打連発とは行かない時期もありましたが、今春にはこの殻も破りました。対応力には少し課題も残しているため、即戦力とまでは断言できませんが、やがては球界を代表するスラッガーとなれる逸材です。
加えて、二塁手としての可能性を残しているのも、彼の楽しみなところ。最終的には三塁起用が無難な気もしますが、牧秀悟 (DeNA)のように圧倒的な打力で守備難をカバーするスタイルを許容できれば、ゲームチェンジャー級のプラスを望めるかもしれません。圧倒的なスラッガーぶりと二遊間の可能性により抱くこの天井の高さは、近年のドラフト候補の中でもトップクラスではないでしょうか。
予想順位:競合確実
今年のドラフトは、まず立石に行くか行かないかを選択するところから始まります。競合するのはもう当たり前の話であり、何球団が競合するのかに視線は移っています。
松下歩叶
3B・2B、法政大、右打、181cm
器用さを兼ね備えた大型内野手
打撃では打球角度の上手さから長打を量産し、守備では立石以上に二遊間の可能性を残す。天井の高さや選択肢の多さを感じる、バランスの取れた大型内野手です。加えて、キャプテンシーや野球IQの高さも備えているため、グラウンド内外でチームの中核を担える候補だと期待しています。
ただ、個々の能力を単体で見ていくと、抜きんでた部分が少ないのは留意しておきたいところ。長打力は技術で補っている印象も受けるため、プロの球威相手に再現できるかは疑問が残りますし、守備では動きの良さを感じるものの、送球の距離感には若干の怪しさも抱いています。攻守両面での器用さを高く評価してきましたが、それが災いして一転、どっちつかずの器用貧乏に陥る危険性も潜んでいるかもしれません。
予想順位:1位濃厚
立石の次点候補として最有力な存在となっており、器用さをより評価した球団が、一本釣りを画策する展開もあり得るでしょう。
大塚瑠晏
SS、東海大、左打、169cm
守備力が輝く大学No.1ショート
東海大相模高校時代から評価されてきたショートの守備は更に強固に。この守備力を軸にして、今ドラフトNo.1遊撃手の座も狙える候補です。ただ、捕る方に関してはほとんど問題を感じませんが、送球面で球が上ずる癖を有しているため、ここの改善は必至。早急に改善できないと、好守とともに送球エラーも量産してしまう危険性を孕んでいるのは、注意が必要です。
一方、かつてから課題だった打撃には改善の兆しが。大学選手権で2本塁打を放つなど、着実にパンチ力も身に付け始めています。一転、秋は不安定なスタートを切っているため、打撃面の評価にはまだ迷う部分も残しますが、守備オンリーの候補からは脱却しつつあると見ても良いのではないでしょうか。
予想順位:2位前後
今年はショート候補がそこまで厚くないので、早くから呼ばれると見ており、ショートに課題を抱える球団が外れ1位で行く可能性も残しています。
松川玲央
SS、城西大、左打、183cm
ポテンシャル秘めた大型ショート
走力を中心に身体的なロマンを抱くショート候補で、球団によっては大塚より高く評価しているとこもあるでしょう。ただ、3年次以降は四球>三振を記録するなど、リードオフマンの役割を確立できたと見ていたのですが、右肘靭帯損傷の影響で、今秋は精彩を欠いてしまったのは気がかりです。野手の場合はダメージが少ないので、悪いなら最悪手術すれば良い話なのですが、ドラフト目前にアピールできなかったのは痛手となっています。
また、大塚とは異なり、ショートに定着できるかどうかの不安を残しているのも気になるところ。長身故に、遊撃守備ではぎこちなさも見られますが、その分、外野手で戦えそうなのはプラス材料とも言えるでしょうか。ただ、同時に打力の底上げも求められ、特に伸び悩む長打力については評価の分かれ目に。伸び代自体は高く評価されるものの、もう少し手堅い要素が欲しかったとの見方もされるかもしれません。
予想順位:3位前後
素材的には2位で行っても問題ない候補だと期待しているのですが、読めない部分が増えてしまったので、順位の予想は一段低くしました。
小田康一郎
1B・2B、青山学院大、左打、173cm
打撃スキルはトップクラス
小柄ながら長打も量産できる、天才的な打撃センスが光る候補。昨秋に負った有鉤骨骨折の影響も感じさせず、春のリーグ戦、大学選手権、日米大学野球の何れでも結果を残せたのは、大きなアピールになったはずです。
担うべき役割は異なりますが、打者の系統は岡林勇希 (中日)に近いと感じ、彼と同様に速球への対応が抜群。一方で、変化球の対処には少し課題も残しており、能力に反しリーグ戦の成績が高止まりしないのは、この辺りも要因ではないでしょうか。
以上のように、打撃センスに関しては楽しみな存在なのですが、他の要素が中々評価に繋がらないのは悩みどころ。身長的に長打力の再現性には疑問が残りますし、チーム事情で一塁中心の起用となる現状では、守備面の評価も困ってしまいます。27年からセ・リーグにもDH制が採用されることで、彼のような打者をより活かしやすくはなりますが、やはり最上位には推し切れない感覚も残しています。
予想順位:3位前後
DH制採用の流れもあり、3位までには指名されると思いますが、上限は2位中盤ぐらいではないかと見ています。
谷端将伍
3B・2B・SS・LF、日本大、右打、178cm
対応力が武器の強打者候補
真っすぐへの対応には定評があり、プロでもアベレージを残せそうな確実性を感じます。その反面、フリースインガー気質なのが玉に瑕ですが、積極性が転じてクラッチヒッターに繋がる期待感も抱けるはずです。また、守備面では内野全ポジションだけでなく、外野手の経験があるのも面白いところ。攻守でチームの隙間を埋めてくれる打者候補となっています。
ただ、同じ右の強打者候補でも、立石や松下と比べると、天井の低さは否めません。打撃ではもう少し長打力を求めたいところですし、守備では複数ポジションの経験が、かえって二遊間にとどまれる可能性を阻害しています。需要が多い右の強打の内野手として売りは有していますが、バリバリの主軸候補というよりは、併用要員等のデプス強化に貢献するタイプだと、今のところはイメージしています。
予想順位:3位前後
当初は立石、松下に次ぐ右の強打者候補と見ていましたが、現状はこの間に高校生や社会人が入ってきそうな様相です。それ故に、指名順位も読めなくなりつつあります。
平川蓮
OF、仙台大、両打、187cm
両打スラッガーというロマンの塊
NPBでは絶滅危惧種となりつつある両打でありながら、長距離砲も狙える打者候補。加えて、走力や強肩も有しており、正にロマンの塊といった逸材です。実際のフォームやスイングを見ると、そこまでの迫力は感じないのですが、捉えたときの打球速度には目を見張るものがあります。近年の打球速度重視のスカウティングを用いれば、立石に次ぐスラッガー候補との高評価を受けるかもしれません。
一方で、やはり課題はまだまだ多い印象。打撃では対応力に難を残し、場合によっては左打に専念させる展開もあり得ます。また、守備ではスペックの割に動きがもっさりとしており、きちんと磨いてくれる環境じゃないと、ライト以上の選択肢も見えてこないでしょうか。とは言え、ロマンの塊であることは再度強調しておきたく、2軍でブラッシュアップ出来る球団であれば、大成の可能性を十分に秘めています。
予想順位:2位前後
外れ1位とまでは流石に推しにくい素材ですが、スペック買いとしては十分な魅力を放っており、2位で消える可能性は高いと見ています。
秋山俊
OF、中京大、左打、183cm
万能な左の好打者
元々率を残せていた打撃に加え、今年は長打力UPのアピールにも成功。相手投手の左右や打球方向にも影響されない成績を残せているため、どの役割も期待できる万能な打撃が大きな魅力です。
一方で、評価の鍵を握るのはセンターの可能性と長打力の再現性。守備はライトまでは無難にこなせそうな感じですが、突出した身体能力を有していないため、プロのセンターは少し厳しい印象も受けます。長打力についても日米大学野球でアピール出来れば良かったのですが、不発に終わったのは痛手。リーグ戦や大学選手権の数字だけで、どこまで評価されるかは読みにくいところとなっています。
内外野は異なりますが、これらの点は松下歩叶と共通している部分も多く、結局は大学で機能していた器用さや万能な部分が、どこまでプロで通じるかといった話になります。特に、左打の外野手は毎年有力候補が生まれる激戦区であるため、秋山だけが持つスペシャルな要素が見出されないと、中々高い評価は得られないでしょう。
予想順位:3位以降
上位候補によく挙げられますが、個人的にはセンター守備や長打力に懸念を感じているため、主流は3位ぐらいからだと見ています。