【ブレーブス】2023年オフの補強情報

ブレーブス2023オフの補強情報をまとめました!

今オフのブレーブスはトレード市場で活発な動きを見せていたので、トレードに関する内容に注力した記事となっています。

移籍情報

  • SPRPは左投
  • 球団略称末尾の「m」はマイナーを表現

新加入選手

ATL 新加入
選手 守備 前所属
レイナルド・ロペス SP CLE
クリス・セール SP BOS (trade)
ピアース・ジョンソン RP 再契約
ジョー・ヒメネス RP 再契約
ジェシー・チャベス RP 再契約
アーロン・バマー RP CWS (trade)
アンヘル・ペルドモ RP PIT
レイ・カー RP SD (trade)
ルイス・ギヨルメ IF NYM
ジャレッド・ケルニック OF SEA (trade)
J.P.マルティネス OF ATL (trade)
アダム・デュバル OF BOS
マイナー契約
ザック・ローグ SP DETm
トミー・ドイル RP COL
テイラー・ワイドナー RP KBO
ケン・ジャイルズ RP LADm
ジェイク・ウォルシュ RP STL
ベン・ボウデン RP PHIm
チャドウィック・トロンプ C 再契約
セバスチャン・リベロ C CWSm
デビッド・フレッチャー IF LAA (trade)
アンドリュー・ベラスケス IF 再契約
アレホ・ロペス IF CINm
フィリップ・エバンス IF AZm
ルイス・リベラト OF SDm
レウリー・ガルシア OF CWS
スカイ・ボルト OF MILm
ルーク・ウィリアムズ UT 再契約

退団選手

ATL 退団
選手 守備 移籍情報
カイル・ライト SP KC (trade)
マイケル・ソロカ SP CWS (trade)
ジョニー・チリーノス SP FA
ジャレッド・シュスター SP CWS (trade)
コルビー・アラード SP FA
コリン・マクヒュー RP 球団OP破棄
→引退
カービー・イエーツ RP 球団OP破棄
ベン・ヘラー RP FA
ニック・アンダーソン RP KC (trade)
マイケル・トンキン RP FA
ジャクソン・スティーブンス RP FA
ブラッド・ハンド RP 相互OP破棄
ボーン・グリッソム IF BOS (trade)
エイーレ・アドリアンサ IF FA
ニッキー・ロペス IF CWS (trade)
ブレイデン・シューメイク IF CWS (trade)
エディ・ロサリオ OF 球団OP破棄
ケビン・ピラー OF FA
サム・ヒリアード OF BAL (waiver)
マイナー
デレック・ロドリゲス SP FA
ルーカス・リットキー RP FA
ダニー・ヤング RP FA

契約情報

ATL 契約情報
選手 守備 契約情報
モートン SP 球団OP行使
セール SP 25年まで更新(+26 球団OP)

補強ポイント

トレードのまとめに行く前に、今オフの主要な補強ポイントを軽く解説しておきます。

先発ローテの再編成

先発ローテの4本柱
選手 IP 備考
ストライダー 186.2 エース
エルダー 174.2 ゴロピッチャー
モートン 163.1 現在40歳
フリード 77.2 23年にIL60入り

24年のブレーブスのローテは上記の4投手が中心になると予想されていました。しかし、エルダーはゴロピッチャー故に成績の不安定性、モートンは今オフで40歳の大ベテラン、フリードは健康面に不安と、各々懸念材料を抱えているのは見逃せないポイントとなっていました。

一方、4本柱以外の候補を見ていくと、実績組のイノーアやイアン・アンダーソンはTJ手術の影響で計算に入れられず、23年デビューのスミス=ショウバーやドッド、ワイナンスといった若手たちはまだMLBで結果を残せていない段階。また、オフ序盤に補強したリリーバーのロペスを先発調整させる案もありますが、現状では不透明さが勝る印象を受けます。

よって、4本柱に懸念が残り、彼ら以外は決め手に欠くローテ事情を踏まえると、確実性を有した先発投手が大きな補強ポイントだったと言えるでしょう。

レフトの主力候補

オフ当初のLF候補
選手 wRC+ 備考
ロサリオ 100 球団OPを破棄
オスーナ 139 基本的にはDH起用
グリッソム 78 本来は内野手
ウォール 265 MLB経験は15打席のみ

23年のレフトを主に務めていたロサリオの球団オプション(年俸 900万ドル)を破棄したことで、レフトのレギュラーが不在となりました。

オスーナの守備機会の増加やグリッソム、ウォール辺りの抜擢で埋める策も一応あったものの、オスーナの守備力や後者2選手の経験不足を考えると、かなり心許ない印象。どこまでのレベルに手を出せるかは市場次第ですが、レフトの主力候補はやはり補強したいポイントとなっていました。

トレード取引のまとめ

ブレーブスの今オフのトレードを個別に見ていき、最後に簡単なまとめを作りました。

太字の選手は現在もブレーブス所属の選手です。

①11/16 CWSへソロカらを放出

  • IN: アーロン・バマー(RP)
  • OUT: マイケル・ソロカ(SP)、ジャレッド・シュスター(SP)、ニッキー・ロペス(IF)、ブレイデン・シューメイク(IF)、ライリー・ゴ―ウェンス(P)

テンダー期限が迫っており、枠を空けることに重きを置いたトレードを実行。この取引で加入1人に対し放出4人の計3枠を、40人枠から空けた形となりました(ゴ―ウェンスはマイナー選手のため計算から除外)。大半の選手がトレード放出されずとも40人枠外となる可能性が高かったため、大量放出でも痛手はほとんどない動きに。むしろ、余剰戦力でリターンが期待できるリリーフ左腕のバマーを獲得できたので、美味しい取引だったと思います。

②③11/17 KCへライトらを放出

  • IN: ジャクソン・コワー(RP)、金銭(10万ドル)
  • OUT: カイル・ライト(SP)、ニック・アンダーソン(RP)

前日のトレードに続きロイヤルズと2つの取引を行ったことで、新たに40人枠から1枠空けた形に。ただ、前日の余剰戦力とは異なり、ライトの放出に関しては少々勿体なさも感じます。右肩の故障で24年全休となるため、ILでキープし続けるよりも早めに換金した方が得と判断したのでしょうが、成否の評価は数年後となりそうです。

④12/3 SEAからケルニックらを獲得

  • IN: ジャレッド・ケルニック(OF)、マルコ・ゴンザレス(SP)、エバン・ホワイト(1B)、金銭(450万ドル)
  • OUT: ジャクソン・コワー(RP)、コール・フィリップス(P)

ケルニックの獲得で、レフトの補強に成功。一方、同じく補強ポイントだった先発のゴンザレスは戦力と見なしておらず、後日転売の動きを見せました。

オフ当初の見立てではブレーブスが使えるトレードチップは限られた印象でしたが、今オフは金銭負担が大きなチップに。このケースでは2人の不良債権を引き取る代わりに目当ての選手を頂く、サラリー削減が必要なマリナーズの事情を巧みに利用した取引となりました。

また、選手の対価はライトのトレードで獲得したコワーにマイナー投手を加えたパッケージであり、ライト+マイナー投手+金銭でケルニックを獲得したとも言えそうです。(ケルニック獲得に費やした金銭は、記事最後に計算してあります。)

⑤12/5 PITへゴンザレスを転売

  • IN: 後日発表選手
  • OUT: マルコ・ゴンザレス(SP)、金銭(925万ドル)

前述のように、ゴンザレスを他球団へ即転売。ゴンザレスの年俸を負担するために925万ドルを送金しましたが、前取引でマリナーズから450万ドルを受け取っており、実質負担額は差額の475万ドルとなっています。

⑥12/8 LAAからフレッチャーらを獲得

  • IN: デビッド・フレッチャー(IF)、マックス・スタッシ(C)
  • OUT: エバン・ホワイト(1B)、タイラー・トーマス(RP)

金銭負担第2弾として、今度はエンゼルスから2人の不良債権を引き取りました。その代わりにマリナーズから引き受けた2人目の不良債権・ホワイトの放出に成功しましたが、金銭的にはブレーブスの方が450万ドルほど負担額が多い取引となっています。

とは言え、アルシアのショート定着により、内野のバックアップが不在となっていたので、ブレーブスにとってフレッチャーは使い道のある存在。フレッチャーを2年450万ドルで雇えると考えれば、そこまで損はしていない感じも受けます。

※補足
フレッチャーはアウトライトで現在は40人枠外となっていますが、ILが利用可能となった後に呼び戻すのではと予想されています。ただ、エンゼルス時代と同様に、マイナーで飼い殺し状態とする可能性も否定はできません。

⑦12/9 CWSへスタッシを転売

  • IN: 後日発表選手
  • OUT: マックス・スタッシ(C)、金銭(626万ドル)

捕手はマーフィーとダーノーで間に合っていたため、スタッシは即転売。流石にゴンザレスの転売時とは異なり、ほぼ全額をブレーブスが負担する形となりました。ただ、MLB最低年俸分(74万ドル)と球団OPのバイアウト(50万ドル)はホワイトソックス側が負担するため、124万ドルのサラリーダンプには成功しました。

⑧12/15 SDからカーペンターらを獲得

  • IN: レイ・カー(RP)、マット・カーペンター(OF)、金銭(150万ドル)
  • OUT: ドリュー・キャンベル(OF)

金銭負担第3弾はパドレスからカーペンターを引き取るトレード。その代わりにカーを獲得しており、バマー獲得と同様にブルペンの強化を図った形となりました。

また、カーペンターもゴンザレスらと同様に転売を試みましたが、こちらは頓挫しており、数日後にリリースされました。ちなみに、負担額はパドレスから送金された額を引くと、400万ドルとなっています。

※補足
カーペンターはその後カージナルスとFA契約を結んだため、MLB最低年俸分はカージナルスが負担します。

⑨12/30 BOSからセールを獲得

  • IN: クリス・セール(SP)、金銭(1700万ドル)
  • OUT: ボーン・グリッソム(IF)

先発補強の本命はセールでした。実績豊富でありながら耐久性に不安が残る投手ですが、1700万ドルをレッドソックス側に負担してもらうことで、低リスクな補強と判断したのでしょうか。

一方、ブレーブスが唯一対価として期待できたグリッソムをここで消費したのも特筆すべきポイント。セール or グリッソムのどちらが成功するかは数年後のお楽しみとなりそうです。

※補足
セールとは加入後すぐに契約延長しており、2年3800万ドル+球団OP(バイアウトなし)を締結。ここからレッドソックスの送金額を除くと、2年2100万ドルとなります。

⑩1/26 TEXからマルティネスを獲得

  • IN: J.P.マルティネス(OF)
  • OUT: タイラー・オーウェンス(P)

外野のデプス強化として、J.P.マルティネスをレンジャーズから獲得。ケルニックの補強でレフトの主力候補こそ埋まりましたが、決して層が厚い訳ではないので、緊急時に備えた形となりました。マルティネスはウォールやマイナー契約で招待される選手らと、外野4番手の座を争うことになるでしょう。

まとめ

最後に、実質的な獲得選手や対価をまとめました。

実質的な獲得選手
セール、ケルニック、バマー、カー、J.P.マルティネス、(フレッチャー)

実質的な放出選手
ライト、N.アンダーソン、グリッソム、シューメイク、(マイナー6選手)

トレードで動いた合計額
約200万ドルの黒字
(フレッチャーの契約分を加えると、約1200万ドルの赤字)

※ちなみに、ケルニック獲得に費やした金額の合計は約1100万ドル+フレッチャーの契約分(2年1400万ドル)となっています。

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