今回は、カープの移籍情報と補強ポイントをまとめました!
昨季から順位を1つ落とし5位で終わったものの、楽しみな若手が揃いつつあるなど決して悲観すべき状況ではない。今オフの補強次第では再びセリーグの主役となる可能性も大いにあり得る!
カープの移籍情報【2020-21】
2020年オフシーズンの主な移籍情報をまとめました。
※投手は左投手を表しています。
新加入選手
選手 | 守備 | 退団/手段 |
---|---|---|
D・ネバラスカス | 投手 | パイレーツ |
カイル・バード | 投手 | レンジャーズm |
ケビン・クロン | 一塁 | Dバックス |
ドラフト | ||
栗林良吏 | 投手 | トヨタ自動車 ドラフト1位 |
森浦大輔 | 投手 | 天理大学 ドラフト2位 |
大道温貴 | 投手 | 八戸学院大学 ドラフト3位 |
矢野雅哉 | 遊撃 | 亜細亜大学 ドラフト6位 |
退団選手
選手 | 守備 | 移籍先 |
---|---|---|
藤井皓哉 | 投手 | 四国IL高知 |
平岡敬人 | 投手 | |
K.ジョンソン | 投手 | |
モンティージャ | 投手 | |
石原慶幸 | 捕手 | 引退→解説者 |
小窪哲也 | 内野 | |
ピレラ | UT | サムスン(韓国) |
育成選手関連
支配下昇格
選手 | 守備 | 備考 |
---|---|---|
コルニエル | 投手 | 2020年9月に育成契約 |
育成降格
選手 | 守備 | 備考 |
---|---|---|
戸田隆矢 | 投手 | 7月にTJ手術 |
移籍情報の注目ポイント
今オフの移籍情報から注目すべき選手やポイントをまとめました。
- KJが退団
- ドラフト上位は即戦力投手で固める!
- クロンは圧倒的パワーヒッター!
- ネバラスカス&バード獲得で投手陣強化
KJが退団
今季はまさかの0勝に終わり、その流れのまま退団となってしまった。故障した2017年以外は必ず10勝を挙げるなど抜群の安定感を誇っていた左腕だったが、今季は大誤算に。コストや年齢を考えると契約更新はやはり厳しかったのだろう。
ドラフト上位は即戦力投手で固める!
ここ数年は投手陣に苦しんでいることもあってか、ドラフトの上位、1〜3位は即戦力投手で固める指名となった。
1位の栗林と3位の大道はともに完投できるスタミナを有しているため、まずは先発として期待。特に、栗林は社会人出身でもあるため、1年目からある程度はローテを守って欲しいところ。
一方で、2位の森浦も先発での実績は残しているが、左腕が少ないというチーム事情があるため、起用は流動的となりそう。
クロンは圧倒的パワーヒッター!
兄はMLB通算118本塁打のC.J.クロンであり、弟も兄に負けないパワーヒッター。メジャーではあまり量産できなかったが、マイナーでは2019年にAAAで38本を放つなど本塁打を量産している。
一方で、弱点としてはやはりコンタクト力に問題を抱えており、三振はかなり多い。ただ、当たれば本当に良く飛ぶ打者なので、率は低いながらもOPSは毎年高い数値を残している。
ネバラスカス&バード獲得で投手陣強化
ネバラスカスとバード、ともに長身のパワーピッチャー。彼らの加入によりリリーフ陣の層が厚くなった。
ネバラスカスは長身の高さを活かした速球やカーブが武器の右腕。MLBではリリーフオンリーの起用だったが、カープは先発としての可能性も感じているらしい。
一方で、バードはサイドスロー気味のフォームから繰り出されるスライダーが武器の左腕。チームに左腕が不足しているだけに、ワンポイントなどブルペン陣を助ける働きに期待したい。
カープの補強ポイント
投手と野手に分けて、デプスチャートを基に補強ポイントをチェックしていきます。
投手陣のデプスチャート 2020
赤字は左投手を表している。
先発 | リリーフ | |
---|---|---|
防御率 | 3.74 | 4.64 |
1番手 | 大瀬良大地 | フランスア |
2番手 | 九里亜蓮 | 塹江敦哉 |
3番手 | 森下暢仁 | ケムナ誠 |
4番手 | 床田寛樹 | 菊池保則 |
5番手 | 遠藤淳志 | 島内颯太郎 |
6番手 | 野村祐輔 | 中田廉 |
先発
一応1番手に挙げた大瀬良だが故障により11先発に止まり、本来は2番手にいるはずのジョンソンは10先発するも勝ち星は0。この2つの大誤算がありながらもローテが崩壊しなかったのは九里とルーキー森下の奮投のおかげでしょう。また、高卒3年目ながら19先発をこなした遠藤の成長も頼もしかった。
リリーフ
新加入だったスコットが大外れと序盤は抑え不在となっていたが、フランスアが安定してからは抑えの問題はクリア。ただ、塹江やケムナなど若手の新顔が奮投を見せた一方で、中崎や一岡など実績組の状態がなかなか上がらず、リリーフ陣に関してはシーズンを通して悩ましい状態が続いた。
投手陣の補強ポイント
デプスチャートを基に、カープ投手陣の補強ポイントをいくつか挙げていきます。
- リリーフ陣の強化
- 先発陣の強化
リリーフ陣の強化
今季は塹江やケムナが成長を見せたとはいえ、来季についてはフランスア以外正直計算できない陣容。チームで1番の弱点にもなっているので、1人でも多く中継ぎを確保しておきたい。
先発陣の強化
ジョンソンが退団となるため、やはり1人は外国人スターターが欲しい。また、先発左腕の候補が床田しかいないため、出来れば左腕中心に補強したいところ。
投手陣補強の進捗は?
ドラフトで栗林、森浦、大道、新外国人としてネバラスカス、バードと5人の即戦力投手を獲得し、量の強化に成功した。ドラフト組は先発の、外国人組はリリーフの経験が豊富であり、先発とリリーフ、両方の強化に成功しているのも高評価。
ただ、先発に関しては気になる点がまだ残っている。森浦次第では結局先発左腕が床田1人となる可能性もあり、ネバラスカスの先発が未知数であることを踏まえると外国人先発は今のところ不在と考えた方が良さそう。
野手陣のデプスチャート 2020
赤字は左打者、青字はスイッチヒッター、打消し線は退団を表している。
OPS | 1番手 | 2番手 | 3番手 | |
---|---|---|---|---|
捕手 | .723 | 會澤翼 | 坂倉将吾 | 磯村嘉孝 |
一塁 | .724 | 松山竜平 | 堂林翔太 | |
二塁 | .743 | 菊池涼介 | 上本崇司 | 羽月隆太郎 |
三塁 | .726 | 堂林翔太 | メヒア | 三好匠 |
遊撃 | .693 | 田中広輔 | 上本崇司 | 三好匠 |
左翼 | .715 | 長野久義 | 宇草孔基 | |
中堅 | .755 | 西川龍馬 | 大盛穂 | 長野久義 |
右翼 | .953 | 鈴木誠也 | 長野久義 | 大盛穂 |
打線について
遊撃以外はOPS7割を超えており、大きな穴がなくバランスの良い打線が組めた。手薄だった三塁を埋めた堂林の覚醒がやはり大きかったと個人的には思う。
ただ、OPS7割を超えているとはいえ一塁や左翼といった打撃重視のポジションには少し物足りなさも感じるので、野手陣の中では大きな補強ポイントとなりそう。
野手陣の補強ポイント
デプスチャートを基に、カープ野手陣の補強ポイントをいくつか挙げていきます。
- 打撃重視のポジションに長距離砲を
- ネクスト誠也
打撃重視のポジションに長距離砲を
一塁や左翼にもっと長打が期待できる打者が入れば、さらに良い打線となるだろう。ピレラと契約更新しなかったことからも、一塁or左翼に新たな外国人スラッガーを連れてくる可能性が高い。
ネクスト誠也
今後数年以内にMLB挑戦を目指す可能性が高いため、そろそろ誠也の後継者を考えておく必要があるだろう。
基本的にはドラフトで探すことになるが、ドミニカから新たな若手有望株を連れてくるという選択肢もこの球団にはある。
野手陣補強の進捗は?
長距離砲としてクロンを獲得。長打力は文句なしのモノを持っており守備位置は一塁手と、補強ポイントにマッチする選手を獲得できた!
一方で、ドラフトが上位を投手で固めた影響もあり、長距離砲の卵は獲得できず。まあ、誠也の後継者は今すぐに補強すべきというポイントではないので、焦る必要はないでしょう。
総括
今オフも変わらず素早い外国人補強を行い、オフの早い段階で来季への体制が完成。後は、選手たちが活躍してくれるのを期待するのみである。
5位で終わったとはいえ、シーズン終盤はセリーグで1番強いチームだった。この経験からチームが上に行くためには何が必要か良く分かったと思う。個人的な見解で言えば、やはり勝利の方程式がカギ。リリーフ陣の整備さえ早々に目処が付けば、優勝を狙える位置に立てるだろう。
来季からは河田コーチがヘッドコーチとしてチームに帰ってくるので、彼に野手面を任せれば良い。そして、肝心の投手面については2年目を迎える佐々岡監督の手腕にかかっている。