エンゼルス2024オフの補強ポイントをまとめました!
投手陣の補強ポイント
先発ローテ | ブルペン陣 | ||
---|---|---|---|
SP1 | アンダーソン* | CL | ジョイス |
SP2 | ソリアーノ | SU | キハダ* |
SP3 | デトマーズ* | SU | ??? |
SP4 | (キャニング) | MID | バーク* |
SP5 | ??? | MID | ゼファージャン |
(SP6) | コハノウィッツ | MID | (コントレラス) |
MID | ??? | ||
LR | (フルマー) |
※「*」が末尾に付く投手は左投。
エース格の先発投手
【主な先発投手の現状】
- アンダーソン: 指標は怪しいが一応復調
- ソリアーノ: 先発転向は一先ず成功
- キャニング: ノンテンダーの可能性も
- デトマーズ: 伸び悩み中
- サンドバル: TJ手術で半分以上を欠場
大谷が抜けたローテでは、予想通りMLBでも下位の水準に。アンダーソン・デトマーズ・サンドバルの、本来ならクオリティ面を支えなければならない3左腕の現状もあまり芳しくなく、大黒柱が不在のローテとなっています。
一方、ソリアーノの先発転向に加え、若手先発の現状には少し手応えも感じ始めているでしょう。コハノウィッツは8月からローテ投手として機能し、22年のドラフトで指名したダナやエステベスの対価で獲得したアルデゲリもMLBデビューを経験。また、肘を手術したシルセスも春には間に合う見込みのため、楽しみな若手は揃いつつあります。
【ローテ補強のToDoリスト】
- エース格の補強が最優先事項
- 場合によっては低コストな先発も補充
やはりエンゼルス最大の補強ポイントはエース格の先発投手であり、毎オフ言っていますが、ここに投資しなければ上位進出は見えてこないでしょう。ソリアーノの継続的な活躍、デトマーズの現状打破、そして若手たちの成長など、楽観的な皮算用は多いのですが、エースが1枚加わるだけでも多少は見栄えが良くなるはず。新たなエースの獲得に全力を挙げろ!がファンの総意だと思います。
一方、枚数に関しては若手の成長にある程度賭けても良いのではと見ていますが、健全な成長を促すためには必要に応じた補充も考えたいところ。ベテランのイニングイーターや復調を狙えそうな中堅どころを1枚確保しておくと、安心できるのではないでしょうか。
セットアッパー級を数枚
【ブルペン陣の現状】
- エステベス放出などで歯抜け状態
- ジョイスの成長、キハダの復活は好材料
- デプス要員は低コストで補充
先発陣より多少防御率がマシとはいえ、エステベスのシーズン中の放出や単年のベテラン中心だった昨オフの補強(しかも、唯一複数年契約を結んだスティーブンソンはTJ手術で離脱中というおまけ付き)により、現状のブルペン陣は歯抜け状態。今オフもブルペンの再整備は補強ポイントの1つに挙がるでしょう。
とは言え、ジョイス&キハダと自前の速球派デュオを保持できているのは大きな武器に。また、マイナー契約スタートだったフルマーやストリックランド、DFA経由で獲得したバークやコントレラスなど、今季は低コストで補強したリリーバーを上手く戦力化できていたのも、昨今との大きな違いとなっています。
【ブルペン補強のToDoリスト】
- セットアッパー級を数枚
- 低コストな補強も継続させたい
ジョイス&キハダを今後も当てに出来るのであれば、守護神級に無理やり手を出す必要はないでしょう。ただ、勝ちパターンの枚数が十分ではないので、セットアッパー級の補強は必須。個人的には年俸 500万ドル辺りのリリーバーを複数枚集めるのが無難だと見ています。
また、ウェーバー経由の移籍やマイナー契約でのリリーバー確保も引き続き積極的に狙って行きたいところ。昨オフのようにブルペンに投資を集めるのではなく、コストを抑えることも意識して欲しいです。
野手陣の補強ポイント
スタメン | 控え | ||
---|---|---|---|
C | オホッピー | C | サイス* |
1B | シャヌエル* | IF | (ステファニック) |
2B | レンヒーフォ# | IF? | ??? |
3B | レンドン | OF? | ??? |
SS | ネト | ||
LF | ウォード | ||
CF | モニアック* | ||
RF | アデル | ||
DH | トラウト |
※「*」が末尾に付く打者は左打、「#」は両打。
新たな長距離砲
【エンゼルス打線の現状】
- 2B、3B、RF、DHが今季の弱点
- トラウト、レンヒーフォの離脱が痛手
- 大谷の穴は放置気味
ポジション別のwRC+(FanGraphsを参照)を見ると、低い順に2B<3B<DH<RFと並ぶ形に。低かった理由として2Bはドルーリー、3Bはレンドンの不調が挙げられ、レンヒーフォが離脱したのも痛手となりました。続いて、RFはトラウト離脱により、アデルを固定せざるを得なかったのが原因。アデルは長打面で活路を見出しつつある一方、粗さも残るのが現状となっています。
そして、個人的に1番気になったのがDHです。大谷が抜けたにもかかわらず、W.カルフーン(マイナー契約)やカバダス(L.ガルシアの対価)と、低コストな補強でお茶を濁しただけ。一応、ここで挙げた中ではマシな部類のwRC+を記録していますが、打撃オンリーのポジションとしてはあまりにも低水準です。大谷がいた頃との落差を考えても、打線に大きなマイナスをもたらしたと言えるでしょう。
【打線強化ののToDoリスト】
- 2Bに主力格
- 3Bに併用要員の追加
- DHに新たな長距離砲を補強
※トラウトのDH起用を増やす場合は、3Bに新たな長距離砲を補強
外野陣はトラウトの復活に期待するとしても、打線強化のために内野陣やDHの補強は必須。ただ、内野陣に関しては次の項で触れたいので、ここではDHの補強に言及をとどめておきます。
流石に大谷クラスを連れて来いとは言いませんが、やはり新たな長距離砲を加えるべきです。最悪年俸 500万ドル辺りのベテラン、あるいは不振に苦しんでいる中堅どころを連れて来るだけでも、上がり目は生まれます。後、内野補強と絡め、時折3Bも可能ならより好ましいでしょう。
※追記
トラウトがCFからの転向に前向きとの報道が。基本的にはコーナーへの転向だと見ていますが、DH起用増加の可能性も浮上しています。もし、トラウトのDH起用が増えるのであれば、DH専の補強は当然避けるべきでしょう。その代わりに、3B補強の優先順位が上がり、CFのバックアップを追加する必要も出てきます。
内野陣の強化
【2B&3Bの現状について】
- ドルーリーがFA
- レンドンはそろそろDFAのカウントダウン?
- レンヒーフォにも複数の懸念材料
2BはドルーリーがFAで主力不在となり、3Bはそろそろレンドン抜きの編成を考える頃合いに。まず今オフで優先されるのは2Bの穴埋めだと思いますが、レンドンの問題をずるずると延ばすのも得策ではないため、急な決定が下される可能性も否定できません。
また、レンヒーフォで埋める案も当然ありますが、故障の多さや危うい守備力、そして打撃指標の怪しさと、幾つかの懸念材料を抱えている点は無視できません。UTとして残しておくのが、色々な意味で個人的には理想だと思います。
【2B&3Bの補強について】
- 主力級が欲しいならトレード狙い?
- 十八番の切り札が一応あるけど……
今オフのFA市場は不作気味となっており、内野の主力格はあまり見当たらない印象。主力級の補強を狙うならトレード市場の方が面白そうに感じますが、今度は対価を用意するのに苦労する未来が見えてしまいます。
1番可能性が高いのはデプス要員レベルのFA選手を複数人補強し、レンドンやレンヒーフォ辺りと共存させていく案でしょうか。この場合には減額した上でドルーリーとの再契約も選択肢に入り、ネトの負担を減らすためにSSのバックアップも強化できれば、デプスのバランスは良くなるかもしれません。とは言え、上がり目や打線強化には乏しく、またもや中途半端なオフとなる感は否めません。
また、切り札として24年ドラ1のクリスチャン・ムーアを早期昇格させるという、エンゼルスの十八番を再度見せる可能性も一応あります。ただ、ムーアは9月に左半月板を負傷しているのが不安材料に。シーズン中に打者として復帰できていますが、予後も含め慎重に検討すべき勝負手だと思います。