【ヤンキース】2020年オフの補強情報

今回は、ヤンキース移籍情報と補強ポイントをまとめました!

レギュラーシーズンでもPSでもレイズの前に屈した今季。その雪辱を晴らすためにも戦力を整えたいところだが、あまり派手な補強はやらないみたい。

ヤンキースの移籍情報【2020-21】

ストーブリーグ【2020-21】の主な移籍情報をまとめました。

新加入選手

ヤンキースの新加入選手
選手 守備 退団
DJ・ルメイヒュー 内野 再契約
ブレット・ガードナー 外野 再契約
コーリー・クルーバー SP・右 レンジャーズ
ジェイソン・タイヨン SP・右 パイレーツ(trade)
ダレン・オデイ RP・右 ブレーブス
ジャスティン・ウィルソン RP・左 メッツ
ルーカス・リットキー RP・左 アスレチックスm
ジェイ・ブルース 外野 フィリーズ
マイナー
アダム・ウォーレン RP・右 再契約
タイラー・ライオンズ RP・左 再契約
ジョーリス・チャシーン SP・右 ブレーブス
アッシャー・
ウォジェハウスキー
SP・右 オリオールズ
ルイス・ガルシア RP・右 レンジャーズ
ニック・グッディー RP・右 レンジャーズ
カイル・ベアクロー RP・右 パドレスm
マット・ボウマン RP・右 レッズm
ネストル・コルテスJr. RP・左 マリナーズ
ロビンソン・チリーノス 捕手 メッツ
ソクラテス・ブリトー 外野 パイレーツm
ライアン・ラマー 外野 カブスm
グレッグ・アレン 外野 パドレス(DFA)
デレク・ディートリック UT レンジャーズ
アンドリュー・ベラスケス UT オリオールズ
補足
リットキー、J.ブルースはマイナー契約からメジャー昇格。
チャシーンとはマイナー契約を結んでいたが、契約解除。

退団選手

ヤンキースの退団選手
選手 守備 移籍先
田中将大 SP・右 楽天
J.A.ハップ SP・左 ツインズ
ジェームズ・パクストン SP・左 マリナーズ
アダム・オッタビーノ RP・右 レッドソックス(trade)
ジョナサン・ホルダー RP・右 カブス
トミー・ケインリー RP・右 ドジャース
ベン・ヘラー RP・右 Dバックスm
ミゲル・ヤフーレ RP・右 パイレーツ(trade)
ルイス・アビラン RP・左 ナショナルズ
エリック・クラッツ 捕手 引退
ジョーディー・マーサー 遊撃 ナショナルズ

オフの注目ポイント

上記の移籍情報から注目すべき選手やポイントをまとめました。

  • 同級生トリオの誰を残す?
  • ガードナーとの再契約は?
  • ヘルマンが出場停止から復帰

同級生トリオの誰を残す?

やはり注目は同級生トリオ、田中・パクストン・ルメイヒューの去就。全員との再契約は現実的ではないので、今のところの優先順位はおそらくルメイヒュー>田中>パクストンだと思われる。

特に、ルメイヒューの残留には全力を挙げている。退団となれば内野に大きな穴が開くことになるので、是が非でも再契約を!ただ、狙っている球団も多く大型契約を希望していることもあり、そう簡単には決まらなそう。

また、田中とも残留交渉を継続中。本人も残留が第1希望なので再契約に支障は無さそうだが、チームとしては出来るだけコストを下げたいという思惑があるので、上手く交渉がまとまらない可能性もある。

一方で、パクストンについては続報がないので、おそらく退団が濃厚か。

ガードナーとの再契約は?

コロナ禍の影響でベテラン選手のオプション破棄が目立っており、それはガードナーも例外では無い。

フランチャイズプレイヤーでありチームリーダーでもあるので、再契約の可能性が高いとは思う。ただ、彼の場合も田中と同様にコストを下げたいという思惑があるので、ある程度の減俸を飲まなければ退団という可能性も否定できない。

ヘルマンが出場停止から復帰

新加入ではないので表には入れていないが、ドミンゴ・ヘルマンが出場停止から復帰する。

2019年9月にDVの容疑で81試合の出場停止処分を受けており、処分自体は今季終盤に終わっていたものの、コンディションなどの問題により本格的な復帰は来季の春季トレーニングから。

19年に19勝を挙げたものの、エースという投手ではない。ただ、ローテ投手としては期待できるので、彼の状態次第ではまた先発の構成が変わってくるだろう。

ヤンキースの補強ポイント

投手と野手に分けて、デプスチャートを基に補強ポイントをチェックしていきます。

投手陣のデプスチャート 2020

赤字は左投手、()は退団orFA選手を表している。

ヤンキース 投手陣2020
先発 リリーフ
防御率 4.24 4.51
1番手 コール チャップマン
2番手 (田中将大) ブリットン
3番手 (パクストン) グリーン
4番手 (ハップ) (ホルダー)
5番手 モンゴメリー (オッタビーノ)

先発陣
新エースとして獲得したコールが無難な成績を残した一方で、春にセベリーノがTJ手術を受けたり、パクストンが故障でほとんど投げられなかったりと思い描いていたローテは完成できず。ただ、そんな状況でも田中とハップが安定感を披露し、最低限のローテは形成できた。

リリーフ陣
チャップマンがコロナ感染により出遅れるなど苦しい序盤となったが、ブリットンの存在がとにかく大きかった。一方で、オタビーノの不調やケインリーの故障により鉄壁のリリーフ陣が形成できず、全体的には先発陣よりも悪い数字で終わってしまった。

投手陣の補強ポイント

デプスチャートを基に、ヤンキース投手陣の補強ポイントをいくつか挙げていきます。

  • 先発陣の再整備
  • リリーフ陣の強化

先発陣の再整備

チャートのように3投手がFAとなっているため、当然補強は必要だろう。

一応ヘルマンやセベリーノ(夏あたり?)が復帰予定となっており、若手にもガルシアやシュミットといった有望株が控えていることからローテの数は揃えられる。ただ、コール以外は計算しづらい状況なので、再契約を含め最低でも1枚は先発を補強しておきたい。

昨季コールを獲得したことから新たなエース格を獲得する可能性は低いため、コスパの良い先発を狙うのではと予想している。

リリーフ陣の強化

退団した上位のリリーバーはホルダーだけなので、先発陣と比べると慌てる必要はない。ただ、チャップマンの衰えやオッタビーノの放出話など不安な要素もあるので、全く補強をしないという訳には行かないだろう。

野手陣のデプスチャート 2020

赤字は左打者、青字はスイッチヒッター、()はFA選手を表している。

ヤンキース 野手陣2020
OPS 1番手 2番手
捕手 .683 サンチェス ヒガシオカ
一塁 .902 ボイト ルメイヒュー
二塁 .827 ルメイヒュー ウェイド
三塁 .868 アーシェラ ルメイヒュー
遊撃 .692 トーレス ウェイド
左翼 .743 (ガードナー) トークマン
中堅 .782 ヒックス (ガードナー)
右翼 .821 ジャッジ フレイジャー
DH .740 スタントン ボイト

内野
トーレスの不調は少し気になるところだが、レギュラー陣が安定した成績を残した。特に、ルメイヒューの活躍は今季も抜群であり、チームに欠かすことの出来ない存在となっている。

外野
ジャッジが故障で半分しか出場できなくても、その穴をフレイジャーがしっかり埋めた。内野陣と比べると中堅、左翼の数字が少し寂しいので、来季の巻き返しに期待。

DH
スタントンが出場できればある程度の成績を残すが、如何せん故障が多過ぎる。

捕手
今季の成績では捕手が1番の弱点に。打撃で貢献するしかないサンチェスがこの体たらくではチームも新たな策を考えざるを得ないだろう。

野手陣の補強ポイント

デプスチャートを基に、ヤンキース野手陣の補強ポイントをいくつか挙げていきます。

  • ルメイヒューの穴
  • 捕手のグレードアップ
  • 外野陣の再整備

ルメイヒューの穴

チャートからも分かるように、ルメイヒューの存在はとにかく大きい。彼がいれば戦術の幅も広がるので、絶対に残留させたい選手。

もし、ルメイヒューが退団となれば、控えのウェイドでは力不足なので当然補強に動くだろう。幸いなことにアーシェラやトーレスが内野の複数ポジションをこなすことが出来るので、必ずしも補強するポジションを二塁だけに拘る必要はない。

また、二遊間の候補はFAよりもトレード市場にビッグネームが集まっているので、色々と慌ただしい動きに発展する可能性もあり、それはそれで面白い展開となりそう。

ただ、チームの安定を考えるならば、やっぱりルメイヒューの残留がベストだろう。

捕手のグレードアップ

正捕手であるサンチェスに放出の噂が出ている。元々守備には大きな不満がある選手だったが、ここ数年は持ち味の打撃も不安定となっており、正捕手としてはかなり物足りない。

一方で第2捕手のヒガシオカをメインに抜擢するのも厳しいので、捕手をグレードアップさせるならばやはり補強が必要。

ただ、この話はサンチェスがある程度の価値で売れなければ始まらない話なので、まずはサンチェスにどれほどの買い手が付くのか要注目。

外野陣の再整備

ガードナーと再契約できれば済む話だが、昨オフとは違いあまり再契約濃厚という報道を見ないのは気になるところ。

もしガードナーが退団となっても、ジャッジやヒックスに加えフレイジャーやトークマンが控えているため、レギュラー不在という事態にはならない。ただ、毎年必ず故障者が出るポジションなので、こちらも全く補強せずとは行かないだろう。

補強の進捗

投手陣と野手陣に分けて補強の進捗を見ていきます。

投手陣の補強

まずは先発陣の再整備から。

1/15 クルーバーと契約

先発整備のため、まずは元サイヤング投手のクルーバーを獲得。ここ数年は故障によりほとんど投げられていないので、コンディションについては不安だが、復活してくれれば大きな戦力となってくれるだろう。

1/24 タイヨンを獲得

続く補強としてタイヨンをトレードで獲得。2019年2月に受けたTJ手術からまだ復帰は出来ていないが、術前の投球や2022年まで保有できることなどからコスパの良い先発と評価。こちらもコンディションに不安を残しているが、万全の状態に戻りさえすればローテ投手として期待できるだろう。

1/25 オッタビーノを放出

補強や年俸調停によりペイロール(贅沢税ライン以内)に余裕が無くなってしまったため、空きを作る手段としてオッタビーノのトレード放出を決断。(トレード相手がレッドソックスだったのはサプライズ!)

昨季不調に陥っており、年俸も高額であることから少し難しい取引となりそうだったが、1月中に無事成立させられたのはとても大きかった。

1/27 オデイと合意

オッタビーノの穴埋めとしてオデイを獲得。38歳という年齢もあり登板数が少ないシーズンも目立ち始めているが、奪三振率やWHIPなどではまだ好成績を残せているので、マウンドに上がればリリーフの一角として十分に期待できる存在。また、オッタビーノよりもコストが低いのは今のヤンキースにとってかなり魅力的だったと思う。

1/28 田中が退団

ルメイヒュー&クルーバーの契約により、ペイロール(贅沢税ライン内)に余裕が無くなったため、残留の可能性はかなり厳しく退団は避けられなかった。

そうした状況から田中は日本への復帰を決断。再び楽天のユニフォームを着ることとなった。

2/15 J.ウィルソンと合意

リリーフ陣をさらに厚くするために、ジャスティン・ウィルソンを獲得。ウィルソンは2015年にヤンキースでプレーしていたので、6年ぶりの復帰となった。

今年で34歳とベテランの域に達してきたが、タフさはまだまだ健在。ヤンキースでは勝ちパターンへ繋ぐ役割を任せられそう。

投手補強の評価

先発陣
ローテの再整備としてクルーバーとタイヨンの2人を補強。退団した先発は3投手なのでまだ1人足りない状況だが、ヘルマン(出場停止から復帰)や若手たちで残りのローテを埋める算段となっている。

何とか先発の枚数を揃えた形となったが、クルーバー、タイヨンともにここ数年故障でほとんど投げられていないのはやはり大きな不安材料。現状確実に計算できる先発はコール1人となっており、今年のローテはかなりリスクが付き纏う陣容となりそう。(ちなみに、夏頃にはセベリーノが復帰予定となっているが、こちらもまだ不透明な状況。)

リリーフ陣
ペイロールを調整するためオッタビーノをトレードで放出した一方で、すぐにオデイやウィルソンを獲得し穴埋めを図った。チャップマン、ブリットンを中心に引き続き質の高いブルペン陣が形成できそうだが、数年前のスーパーブルペンと比べると少し見劣りする陣容だと思う。

野手陣の補強

ルメイヒューとの再契約こそが最重要任務。

1/15 ルメイヒューと再契約

今オフの最優先事項であったルメイヒューとの再契約に成功。内野陣に大きな穴が空くという最悪な状況を無事に回避できた。

契約内容は6年9000万ドルとなっており、長期間のプレイ機会を保証する代わりに単年当たりのコスト削減に成功。両者ともにWIN-WINな取引となったのも高評価。

2/19 ガードナーと再契約

やはりガードナーは今年もヤンキースのユニフォームを着る。一時はそもそも交渉すらしていないのではとの報道もあったが、そんな筈はない。わざわざオッタビーノをトレードで放出してペイロールに空きを作っていたことからも、この動きは既定路線。

チームはガードナーを純粋な戦力としてだけでなく、フランチャイズプレイヤーやベテランとしてのリーダーシップも評価している。また、ガードナー自身も当然ヤンキースに愛着があるので、正に相思相愛の関係と言えるだろう。

野手補強の評価

最優先課題だったルメイヒューとの再契約に無事成功し、春季トレーニング直前にはガードナーとも再契約。結果的に主力野手の退団は0となっており、野手陣に関しては戦力維持に成功した。

また、ジェイ・ブルースなどベテラン野手をマイナー契約で確保しているので、彼らの状態次第では戦力の上積みが期待できるかもしれない。マイナー契約の使い方については例年以上に抜け目のない動きを見せている。

総括

今オフの重要な課題は2つ、「ペイロールを贅沢税ライン(2億1000万ドル)内に収めること」と「ルメイヒューとの再契約」。結果的にこの2つの課題を無事クリア出来たのは高評価だが、コスト重視を徹底したことでギャンブル性の高い補強となった点も見逃せない。

特に、先発投手という重要なポジションをここ数年健康で過ごせていない投手たちで埋める形となったのはかなりのハイリスク。このリスクがどちらに転ぶかによって、今年のヤンキースの運命が大きく変わってくると言っても過言ではないだろう。

コロナの影響はヤンキースも例外では無かったが、そんな状況でも一応チャンピオンを狙えるチーム作りは出来たと個人的には思う。ただ、何度も言うようにいくつかのポジションでリスクが残っており、決して上位安泰とは言えない状況。チャンピオン奪還の可能性もあれば、PS進出を逃す可能性もあり得る。リスクが大きい投資をしただけに、かなり振れ幅の大きいシーズンとなりそう。

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