【プロ野球】2020年のFA移籍を予想

今回は、プロ野球2020のFA移籍について予想しました!

流石にFA有資格者を全員まとめると膨大になるので、今季国内FA権を初取得した選手や移籍の噂がある選手を中心にまとめました。

FA「Aランク」選手の移籍予想

補償内容は「人的補償+旧年俸の50%の金銭補償」または「旧年俸の80%の金銭補償」となっている。(2度目以降のFA移籍なら金銭補償の%が少し下がる。)

大野雄大

中日ドラゴンズ所属。先発投手、左投。

1.82で最優秀防御率、148個で最多奪三振と2つのタイトルを獲得しただけでなく10度の完投数など、今季は先発として申し分のない数字を残したシーズンに。しかも貴重な左腕の先発なので、ランクとか関係なくどこも欲しがるレベルの先発でしょう。

しかし、ドラゴンズにまだ恩返しが出来ていないことを理由に早期の残留を決断。ドラゴンズにしては奮発したとはいえ宣言すればもっと高騰した可能性もあるだけに、この決断の早さには驚いた。

確定
ドラゴンズに残留!

澤村拓一

ロッテマリーンズ所属。中継ぎ投手、右投。

ジャイアンツ時代の2015年に抑え投手へ転向したものの、ここ数年は勝ちパターンとしても計算できない状態となり、今季は干され気味に。そんな状況に救いの手を差し伸べたのがマリーンズ。不安定な投球など懸念されていた点も多かったが、期待以上の投球を披露。途中加入なので登板数こそ22登板と少ないが、WHIP0.95など自身最高クラスの成績を残した。(登板数、WHIPともにマリーンズのみの成績。)

そして、ここに来てメジャー挑戦が急浮上。MLBから見ればコスパが良いことや平野佳寿やドリスといった同タイプのリリーフがある程度活躍していることなどから、MLBの多くの球団が興味を示している。また、この流れを受けてか、本人もメジャー挑戦に意欲満々。

ただ、年俸に関して日本時代から大きく変わらないだろう。個人的な予想としては年俸2000万ドルの2年契約+1年のオプションを勝ち取れたら御の字かな。(ちなみに、2020年の年俸は推定1億5400万円。)

予想
MLBへの移籍が濃厚。

山田哲人

ヤクルトスワローズ所属。二塁手、右打。

今季は一体どうしたんだと心配になる出来。打率.254 本塁打12 盗塁8と何れもトリプルスリーにはかなり遠い数字となっている。二塁手は消耗が激しいので時にはこのような時期もあり得るものだが、FAイヤーに陥るとはかなり不味いタイミングでの不調となった。

しかし、そんな状態でもスワローズは大型契約を用意し、年俸5億円の7年契約+出来高と最大限の評価。在京志望や他球団の動向を踏まえると、残留を選択しない理由がない状況だった。

確定
スワローズに残留!

西川遥輝

日本ハムファイターズ所属。外野手、左打。

オフにメジャー挑戦を明言していた今季は出塁率.430を残しOPS.825と自身最高の数字を残した。また、42個の盗塁数を記録し、走塁面でも好調をアピール。一方で、守備の数値は昨季から悪化を見せており、今季も同様に悪い値となっている。

FA権に関してはまだ国内しか取得出来ていないので、メジャー挑戦するためにはポスティングシステムを利用する必要がある。すでにファイターズは申請に前向きな姿勢を示しているため、MLB移籍に関して「国内」からの障害はない。

ただ、MLBから見ればあまり評価されないタイプだろう。やはり秋山翔吾と比較されることとなり、日本時代は攻守ともに上回っていた秋山がMLBでは並の成績となっては、西川の評価も上がらない。また、持ち味の走力についてもあくまでサブウェポンであり、攻守に一定の水準があって初めて評価されるもの。つまり、攻守がMLBレベルに達していないと判断され得る西川ではメジャー契約を勝ち取るのは厳しいと予想する。

予想
ポスティングを利用してメジャー挑戦を試みるも獲得球団は現れず、単年契約でファイターズに残留。

糸井嘉男

阪神タイガース所属。外野手、左打。

かつてはアスリート系外野手の代表格だったが、今季は攻守ともに精彩を欠きその面影を感じず。衰えか故障、どちらが原因か分からないが、年齢を考えると引退も近いのではと感じるパフォーマンスだった。

峠を越えた選手なので、今更高額のオファーを出す球団もないでしょう。大減俸は免れないが、一応タイガースはオファーを出しているようなので、残留の可能性がかなり高い。

予想
タイガースに残留。

FA「Bランク」選手の移籍予想

補償内容は「人的補償+旧年俸の40%の金銭補償」または「旧年俸の60%の金銭補償」となっている。

小川泰弘

ヤクルトスワローズ所属。先発投手、右投。

ノーヒットノーランの達成や5年ぶりの2桁勝利など復活を印象付けるようなシーズンだったが、防御率4.61やWHIP1.35など実際の成績は昨季より悪い。

神宮がホームなので成績の見栄えの悪さは仕方ないとしても、FA選手として魅力的な先発とは言えない状態。一方で、スワローズは投手陣全体に大きな問題を抱えており、何としても残って欲しい存在。ある程度の高評価を貰っているようなので、残留が基本線だと予想する。

予想
スワローズに残留。

増田達至

西武ライオンズ所属。抑え投手、右投。

完璧だった昨季と比べると防御率やWHIPなど多くの数字を落としているが、無敗のセーブ王となるなど今季も安定感は健在。

豊田清が持つ135セーブの球団記録を抜くなど継続性のある抑えはかなり魅力的な存在。ただ、抑えが移籍し成功したケースはほとんどなく、ライオンズも最大限の評価をしていることから残留の可能性が高いと予想する。

予想
ライオンズに残留。

石山泰稚

ヤクルトスワローズ所属。抑え投手、右投。

昨季は故障などもあり不安定なシーズンとなったが、今季は一転守護神として安定感を取り戻す投球。20セーブを挙げるなどセリーグの抑え投手で唯一フルシーズンを投げ抜いた。

年俸8000万円とかなりコスパの良い投手であるため、個人的には山田や小川よりも興味を持っている球団は多いと推測していた。がしかし、チームへの愛着からか残留を決断。リリーフであるにも関わらず、4年契約を提示したのが大きかったか。

確定
スワローズに残留!

松永昂大

ロッテマリーンズ所属。中継ぎ投手、左投。

故障の影響もあり今季は5登板に止まる。ただ、シーズン終盤には2軍で好投を見せているので、故障の心配はあまり要らないと思う。

今年以外は毎年40登板以上投げるなど一定の安定感は示す。しかも貴重な左腕のリリーフなので、興味を持つ球団はあるだろう。ただ、Bランクのため人的補償を持っていかれるリスクを考えると、獲り合いになるほどの投手ではないかな。

予想
マリーンズに残留。

田中広輔

広島カープ所属。遊撃手、左打。

故障の影響からは癒えつつあり、出塁率.351やOPS.721など打撃については復調気配。ただ、守備や走塁については良かった頃と比べると、まだ物足りない内容となっている。

リードオフマンや遊撃手が手薄のチームにとっては興味を持つ存在。ただ、年齢を考えると、良かった頃のパフォーマンスを完全に取り戻せるのか疑問符が付く。Bランクであることも踏まえると、獲得に二の足を踏む球団も多いだろう。

予想
カープに残留。

梶谷隆幸

横浜DeNAベイスターズ所属。外野手、左打。

故障などによりなかなか満足のいくシーズンを送れていなかったが、今季は一転自信を取り戻すシーズンに。特に、打撃に関しては良い数字が並んでおり、打率.323やOPS.913などはブレイクした2013年に次ぐ成績となっている。

年齢や故障の多さは気がかりだが、今季の打撃を継続できるのであればかなり魅力的な打者。打てる外野手を欲している球団も多いので、獲得に名乗り出る球団はあるでしょう。よって、FA宣言はすると予想。ただ、やはりリスクの大きい選手なので、最終的には残留かな。

予想
ベイスターズに宣言残留。

島内宏明

楽天ゴールデンイーグルス所属。外野手、左打。

レフトしか守れないなど使い勝手こそ悪いが、打撃に関しては毎年安定した数字を残している。外野手に不安定な選手が多いイーグルスにとっては有難い存在でしょう。

まあ、悪い選手とは言わないが、良くも悪くも平凡。わざわざ補償をしてまで獲得したい選手ではない。イーグルスは金払いも良くまだまだ多くの出場機会を得られそうので、残留は納得でしょう。

確定
イーグルスに残留!

荻野貴司

ロッテマリーンズ所属。外野手、右打。

FA権を行使せずに残留し期待されていたシーズンだったが、再び故障に邪魔される年に。ただ、出来過ぎだった昨季には及ばないものの、開幕戦から26試合連続出塁を記録するなど打撃に関しては何かを掴んだ様子。

昨季残留を選択した時点で生涯マリーンズだと勝手に思っていたが、まさかの行使を検討。上記のようにリードオフマンとしての打撃はかなり高いレベルとなっており、注目は集めそう。ただ、Bランクであることや年齢、故障の多さを踏まえると、今更手を挙げる球団はおそらく無いだろう。

予想
マリーンズに残留。

FA「Cランク」選手の移籍予想

人的、金銭ともに補償不要。

井納翔一

横浜DeNAベイスターズ所属。先発投手、右投。

今季も6勝に止まるなどなかなか2桁は勝てない先発だが、イニングを埋める存在としては有能。なんやかんやでチーム2位の投球回を投げており、離脱しても平気と言える先発ではない。

補償なしでローテの1枠を埋められると考えれば、興味を持つ球団も多いだろう。先発を6人揃えるのに苦労している球団も多いので、争奪戦となる可能性もある。三浦新監督の考え次第で変わるかもしれないが、今のところは移籍前提のFA宣言が濃厚。

予想
他球団に移籍が濃厚。

塩見貴洋

楽天ゴールデンイーグルス所属。先発投手、左投。

勝ち星にこそ恵まれなかったが、チーム3位の84 1/3投球回を投げる。故障の多さや投球の不安定さには不満を抱くが、いてくれると有難い存在ではある。

貴重な左腕の先発なので需要が多そうな投手だと思うが、故障などにより長年規定投球回からも遠ざかっている。いくらCランクで補償が要らないといっても、計算できない先発なら興味はそそられない。

予想
イーグルスに残留。

唐川侑己

ロッテマリーンズ所属。中継ぎ投手、右投。

2018シーズン途中から中継ぎに転向し、今季はついに開花。防御率1.19やWHIP1.02など勝ちパターンとして立派な数字を残した。

地元千葉出身なので油断していたが、元々移籍願望を少し抱いていたよう。そこに澤村の途中加入によりCランクとなったことで、市場価値が高騰。FA宣言しない方が損という状況になっている。ここ最近の動きを見ると、移籍前提のFA宣言が濃厚だと思う。

予想
他球団に移籍が濃厚。

鍵谷陽平

読売ジャイアンツ所属。中継ぎ投手、右投。

ジャイアンツに加入して2年目の今季は故障者が相次いだリリーフ陣を支え続ける投球を披露。今季に限って言えば、チームに欠かせない投手だった。

来季の投球がどうなるかは分からないが、ここ数年毎年のようにリリーフの問題を抱えているジャイアンツにとっては必要な投手。首脳陣からの評価も高いと思うので、しっかりとした契約が貰えるでしょう。よって、残留が濃厚だと予想する。

予想
ジャイアンツに残留。

松井雅人

オリックス・バファローズ所属。捕手、左打。

守備の評価は高く、エースの一角である山岡からの信用も厚い。また、打撃についても今季は一応キャリアハイの数字を出しており、第2捕手として存在感を示した。

守備に関しては計算できるので、意外と需要があるのではと思っている。ただ、バファローズでは自分の居場所をきちんと作れており、高騰するタイプの選手でもないので残留がほぼ確実でしょう。

予想
バファローズに残留。

長谷川勇也

ソフトバンクホークス所属。外野手、左打。

スタメンでの起用はかなり減ったが、代打として首脳陣からの信用は厚い。

勝負強さに目を付け興味を持っている球団もあるが、移籍してもスタメンでの起用があまり増えないことを考えると、今移籍するメリットは感じない。

予想
ホークスに残留。

清田育宏

ロッテマリーンズ所属。外野手、右打。

今季は打席数こそ少ないが、OPS.829を記録するなどここ5年では1番の成績を残した。また、左打者が多い打線なので、強打の右打として重宝されており、シーズン最終盤からCSにかけて4番を任せられる試合も多々あった。

がしかし、彼もまた昨オフの福田の好待遇に影響を受けたのか、FA権の行使を熟考中。こちらもまさかの展開である。ただ、Cランクのため興味を示す球団はあるかもしれないが、今季は主にレフトやDHでの出場だったため、待遇はそこまで期待できないだろう。結局、多くの出場機会を望むなら残留が1番だと思うので、FA権は行使しないと予想する。

予想
マリーンズに残留。

総括

もっと縺れると予想していた目玉候補たちが早々に残留を決断しており、目玉不在の寂しいFA市場となっている。Bクラス以上で宣言する選手が0人の可能性もあり、FAでの大幅な戦力アップは期待できない状況。ただ、Cランクでは何選手かが宣言しそうな気配なので、隙間を埋めるといった意味合いでの補強には注目が集まる。

この寂しい市場となった原因には新型コロナの影響を挙げる人も多いが、自分は少し違うと思う。大きな原因となっているのはFAのルールや日本球界の閉塞感にあると考える。より魅力的なリーグにしていくためにはもう少し移籍が活発化して欲しいところなので、一度移籍に関するルールや考え方を見直す時期に来ているのではないだろうか。

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