今回は、ドジャースの移籍情報と補強ポイントをまとめました!
短縮シーズンながらも、ようやくチャンピオンに辿り着いたドジャース。今年もチャンピオン候補筆頭には違いないが、少し気になるポイントも無くはないといった状況。
ドジャースの移籍情報【2020-21】
ストーブリーグ【2020-21】の主な移籍情報をまとめました。
新加入選手
選手 | 守備 | 退団 |
---|---|---|
ジミー・ネルソン | SP・右 | 再契約 |
ブレイク・トレイネン | RP・右 | 再契約 |
ジャスティン・ターナー | 三塁 | 再契約 |
トレバー・バウアー | SP・右 | レッズ |
コーリー・クネイブル | RP・右 | ブルワーズ(trade) |
トミー・ケインリー | RP・右 | ヤンキース |
アレックス・ベシア | RP・左 | マーリンズ(trade) |
ギャレット・ クリービンガー |
RP・左 | フィリーズ(trade) |
シェルドン・ノイジー | 内野 | アスレチックス(trade) |
マイナー | ||
エンニー・ロメロ | SP・左 | 中日 |
マイク・キッカム | SP・左 | レッドソックス |
ブランドン・モロー | RP・右 | カブスm |
ブロック・スチュワート | RP・右 | カブスm |
ジェームズ・パゾス | RP・左 | ロッキーズ |
マット・デビッドソン | 一塁 | レッズ |
ランヘル・ラベロ | 一塁 | カージナルス |
スティーブン・スーザJr. | 外野 | カブス |
- 補足
- ネルソンはマイナー契約からメジャー昇格。
退団選手
選手 | 守備 | 移籍先 |
---|---|---|
アレックス・ウッド | SP・左 | ジャイアンツ |
ペドロ・バイエズ | RP・右 | アストロズ |
ディラン・フローロ | RP・右 | マーリンズ(trade) |
ジョシュ・スボーツ | RP・右 | レンジャーズ(trade) |
ジェイク・マギー | RP・左 | ジャイアンツ |
アダム・コラレック | RP・左 | アスレチックス(trade) |
ジョク・ピーダーソン | 外野 | カブス |
テレンス・ゴア | 外野 | ブレーブスm |
エンリケ・ヘルナンデス | UT | レッドソックス |
ドジャースのデプスチャート 2020
2020シーズンの戦力をデプスチャートにまとめました。
投手陣のデプスチャート
赤字は左投手、()は退団選手を表している。
先発 | リリーフ | |
---|---|---|
防御率 | 3.29 | 2.74 |
1番手 | カーショー | ジャンセン |
2番手 | ビューラー | トレイネン |
3番手 | ウリアス | (フローロ) |
4番手 | メイ | (マギー) |
5番手 | ゴンソリン | グラテロル |
先発陣
シーズン前に前田、シーズン中にストリップリングを放出し、新戦力として期待されていたプライスはコロナ禍を懸念して出場辞退と枚数に不安のあった先発陣だったが、ウリアスやメイ、ゴンソリンといった若手先発陣の活躍により勝てるローテが形成できた。
また2本柱については、ビューラーが2度のIL入りにより登板数が少なくなったものの、エース・カーショーが抜群の安定感でそれをカバー。大黒柱が健在であったため、若手たちも悠々と投げられたのだろう。
リリーフ陣
2020年のリリーフ陣はMLBトップクラスのクオリティを誇り、その要因となったのは枚数の多さである。上記のチャートには5投手しか載せていないが、それ以外にもバイエズやJ.ケリー、コラレックなど頼りになる投手が控えており、様々なパターンの継投が出来る陣容となっていた。
野手陣のデプスチャート
赤字は左打者、()は退団選手を表している。
OPS | 1番手 | 2番手 | |
---|---|---|---|
捕手 | .824 | スミス | バーンズ |
一塁 | .702 | マンシー | ベリンジャー |
二塁 | .661 | (ヘルナンデス) | テイラー |
三塁 | .895 | ターナー | リオス |
遊撃 | .857 | シーガー | テイラー |
左翼 | .772 | ポロック | (ピーダーソン) |
中堅 | .938 | ベリンジャー | ポロック |
右翼 | .951 | ベッツ | (ピーダーソン) |
DH | .786 | (ピーダーソン) | ポロック |
捕手陣
スミスが順調な成長を見せたことにより質が向上。攻撃的な布陣はスミス、守備的な布陣はバーンズと贅沢な使い分けをPSでは披露していた。
内野陣
シーガーの復調がとても大きく、特にPSではWSのMVPに輝くなど大活躍を見せた。他の主力ではマンシーが少し不調な成績となった一方で、ターナーが衰え知らずの好成績。また、テイラーやリオスといった控え野手陣の活躍も光り、改めて層の厚さを感じる陣容だった。
一方で、正二塁手として期待されていたトッププロスペクトのラックスは今季もメジャーの壁を越えられず。代役のヘルナンデスも不安定な内容であったため、二塁は他ポジションと比べると低質なポジションになってしまった。
外野陣
やはり新加入・ベッツの存在が大きくポロックがようやく真価を発揮したことも重なり、ハイクオリティーな外野陣を形成できた。その一方で、ベリンジャーが少し不調に陥っていたのは残念だったが、彼が本調子を取り戻せば更に質の高い外野陣が見られるかもしれない。
ドジャースの補強ポイント
デプスチャートを基に補強ポイントをいくつか挙げていきます。
- リリーフ陣の再編成
- 3番手を任せられる先発
- 内野の穴埋め
- 流出した野手の穴埋め
リリーフ陣の再編成
2020年のリリーフ陣は枚数の多さを武器にMLBトップクラスの成績を残したが、今オフはトレイネンを筆頭にバイエズやマギーとブルペン陣を支えた面々がFAに。今年も引き続きハイクオリティーなリリーフ陣を目指すのであれば、新たな補充が必要となる。
また、チームの守護神にはジャンセンが君臨しているが、ここ数年は衰えを隠せていない状況。昨年のPSでもジャンセンが絶不調となったため、トレイネンが代理を務めるなど色々なやり繰りが必要となっていた。今オフは複数の抑え投手がFAとなっているため、緊急時に抑えを任せられる高品質なリリーバーを1人は確保しておきたいところ。
3番手を任せられる先発
カーショー、ビューラーの2本柱は健在だが、3番手以降に少し不安を抱えている。本来であればプライスが3番手を務めるはずだったのだが、コロナの影響で昨年は出場を辞退。今年についても投げるかどうかはまだ正式に発表されていない状況。
昨年はウリアスやメイなど若手の活躍で枚数に問題のないローテを組めたが、これは短縮シーズンだったことも大きい。もし今年フルシーズンを戦うとなった場合は、先発の枚数に一抹の不安があると個人的には思う。また、WSでの起用を見ると質に関してもまだ若手投手たちを信頼できていないように感じるので、勝負所でも信頼できる先発がもう1枚必要ではないだろうか。
内野の穴埋め
ターナーのFAにより三塁に大きな穴が空いている。また、デプスチャートでも触れたように、二塁にも少し不安が付きまとっている。このような状況のため、再契約を含め補強で補っていきたい。
補強方法に関してはいくつか策があるので、以下にまとめた。
- ターナーと再契約
- 三塁に大物を獲得
- 遊撃に大物を獲得し、シーガーを三塁に
- 二塁に大物を獲得し、三塁は若手で競争
昨年と同様三塁にターナーを置き二塁は競争という選択肢が1番無難かもしれない。ただ、更なるチーム力の向上を目指すのであれば、ターナーに別れを告げ新たな大物を獲得という選択肢もやはり捨て難い。
今オフのFA市場を見ていくとドジャースの御眼鏡に適う内野手はルメイヒューかセミエンぐらいしかいない一方で、トレード市場ではアレナドやブライアントなど多くのビッグネームの放出が噂されている。ただ、来オフのFA市場で遊撃手が豊作であることを踏まえると、今オフどこまで投資すべきかはかなり悩ましいところ。(ちなみに、自チームの遊撃手・シーガーも来オフFAとなる。)
流出した野手の穴埋め
ベッツと昨年開幕前に契約更新したこともあり、後は内野に1つ大きな補強をすれば今年の陣容は基本的に完成だろう。ただ、これまでチームに厚みをもたらしてきたピーダーソンやヘルナンデスがFAとなっているのは少し気になるところ。彼らは複数ポジションを守れるかつ打力も期待できる選手なので、2選手とも退団となれば少なからずチームに影響があるかもしれない。
内野の補強やDH制の有無(今年はまだ未定)によって費やせるコストが変わってくるが、余力が残っているのであれば再契約を含めもう1枚野手を補強した方が良いのではないだろうか。
具体的なポジションを見ていくと、個人的にはレフトのポロックが今年も同様のパフォーマンスを発揮できるのか少し疑問に思っているので、外野を中心に模索していくべきだと思う。
補強の進捗
投手陣と野手陣に分けて補強の進捗を見ていきます。
投手陣の補強
リリーフを重点的に補強からの強烈な一手!
12/2 クネイブルを獲得
ブルワーズからノンテンダーFAとなる予定だっだクネイベルをトレードで獲得。2019年に受けたTJ手術からまだ完全復活とは行っていないが、復調してくれればブルペン陣の大きな助けになれる投手。
1/5 トレイネンと再契約
PSで抑えの代役も務めるなど昨年チームに大きく貢献したトレイネンの残留に成功。この補強により、セットアッパー兼緊急時の守護神候補のリリーフを1人確保できた。
2/5 バウアーと合意
何と今オフ最大の目玉であったバウアーの獲得に成功!大型補強を行ったパドレスに対抗し、ドジャースが強烈な勝負手を放った。
ドジャースのローテも決して脆弱であった訳ではないが、長いシーズンを考えると一抹の不安があったのもまた事実。バウアーの加入でローテがより完璧に近付いたのは間違いないだろう。
バウアーの契約内容(2/15 更新)
契約規模は3年1億200万ドルとなっているが、その内容は非常に複雑。
- 契約金
1000万ドル - 年俸
1年目が2800万ドル、2,3年目がともに3200万ドル - オプトアウトアウト権
1年目(200万ドル)と2年目(1500万ドル)のオフに所持。
※()内の金額は契約解除料となっており、バウアーがオプトアウト権を行使した場合はその額をドジャースが支払う。 - トレード拒否権
一応有しているが、かなり細かい条項が付いている。
年俸額だけを見ると当初報道されていたMLB最高年俸には届かないように見えるが、契約金やオプトアウト時の解除料を加えると4000万ドル以上の額をバウアーが受け取れる契約になっている。
バウアーが望めば高額を受け取れる一方で、ドジャース側からすれば年俸総額を圧迫せずにバウアーを保有できるので、ともにWIN-WINな契約となっている。
2/12 2人のリリーフを放出
アスレチックスにアダム・コラレックを、マーリンズにディラン・フローロをそれぞれトレードで放出した。
どちらのトレードも思惑は理解できるが、2つとも行う必要があったかは少し疑問が残る。まあ、バウアーが加入したことにより若手先発の数人がリリーフに回るので、少しリリーフを整理する必要があったのかもしれない。それならば効果的な時に売り、見返りとして有望な若手を貰おうというのが今回の狙いだったのだろう。
今後の補強
先発についてはバウアーの獲得に加えプライスも投げる準備をすでに再開しているため、これ以上やる事はないでしょう。
一方で、リリーフはすでに2枚補強しているが、出来ればもう1枚質の高いリリーフをチームに加えたいところ。ただ、予算を考えると少し厳しいかな。
(ちなみに、実績のあるリリーフとしてケインリーも獲得しているが、昨年7月にTJ手術を受けているため、今年はほぼ全休が濃厚。2年契約を結んでいるため、来年の戦力として期待という形になっている。)
野手陣の補強
最低限だが確実な補強が出来た。
キケ&ピーダーソンが退団
やはりヘルナンデス(→BOS)とピーダーソン(→CHC)は退団。まだ野手陣の層は厚いため大きな穴とはならないが、シーズンは長丁場。何処かで彼らの抜けた痛みを感じるかもしれない。
追記(2/15 更新)
コラレックのトレードで獲得したシェルドン・ノイジーはキケの後釜として期待できる選手。内野はどこでも守れるかつ内野陣に不足していた右打と、キケが抜けた穴にはもってこいの選手に感じる。
2/13 ターナーと再契約
無事ターナーとの再契約に成功。契約年数で少し拗れていたが、結局は2年+1年のオプションと双方の間を取った形になった。(ターナーの4年要求に対し、ドジャースは2年で模索していた。)
ドジャースで過ごした7年間は何れも地区優勝に貢献しており、チームメイトやファンからの信頼はとても厚い。また、ターナー自身もドジャースに愛着を持っていたので、この再契約はほぼ既定路線だったでしょう。
今後の補強
唯一の懸念事項であった三塁が無事ターナーで埋められたので、大きな問題はもう残っていない。キケやピーダーソンの退団で少し層が薄くなってしまったように感じるが、ここの穴埋めは若手たちの活躍に期待すべきでしょう。
総括
資金力があり、現有戦力も揃っており、そして若手の層も厚い。あらゆる面でMLBトップクラスの質と量を誇っているため、コロナ禍で苦しんでいる他球団から見れば羨ましい限りだろう。
同地区・パドレスの大型補強にはかなり驚かされ、流石のドジャースも余裕綽々とは行かないだろうと補強の行方に注目が集まっていた。そこで、ドジャースが放った勝負手が「バウアーの獲得」と予想を上回る強烈な一手。今年のチャピオンも俺達だと誇示するかのような動きだった。
勝利をより確実なモノとするために、補強の手を緩めないという姿勢は他球団も見習うべきところ。今年も文句の付けようがないチームを見事に完成させ、連覇に向けては視界良好!