【ヤクルト】2020年オフの補強情報

今回は、スワローズ移籍情報と補強ポイントをまとめました!

2年連続最下位に沈み、追い討ちをかけるように主力3選手がFA権を取得。今オフは暗いニュースが増えそうだと思われていたのだが、蓋を開けてみれば真逆の結果。

スワローズの移籍情報【2020-21】

2020年オフシーズンの主な移籍情報をまとめました。

投手は左投手を表しています。

残留選手

去就が注目されながらも、残留を決断した選手についてまとめました。

スワローズの残留選手
選手 守備 備考
小川泰弘 投手 国内FA権を行使せず
石山泰稚 投手
山田哲人 二塁

新加入選手

スワローズの新加入選手
選手 守備 退団/手段
サイスニード 投手 アストロズ
バンデンハーク 投手 ソフトバンク
近藤弘樹 投手 楽天
田口麗斗 投手 巨人(トレード)
宮台康平 投手 日本ハム
内川聖一 一塁 ソフトバンク
ホセ・オスナ 内野 パイレーツ
ドミンゴ・サンタナ 外野 インディアンス
ドラフト
木澤尚文 投手 慶応大学
ドラフト1位
山野太一 投手 東北福祉大学
ドラフト2位
元山飛優 遊撃 東北福祉大学
ドラフト4位
並木秀尊 外野 獨協大学
ドラフト5位
育成
小澤怜史 投手 ソフトバンク(育成)

退団選手

スワローズの退団選手
選手 守備 移籍先
五十嵐亮太 投手 引退→評論家
イノーア 投手 中信兄弟(台湾)
クック 投手
近藤一樹 投手 四国IL香川(兼任コーチ)
山中浩史 投手 引退
風張蓮 投手 DeNA
平井諒 投手 四国IL愛媛
田川賢吾 投手
中澤雅人 投手 引退→球団職員
山田大樹 投手
井野卓 捕手 引退→球団職員
エスコバー 内野
廣岡大志 内野 巨人(トレード)
上田剛史 外野 引退
田代将太郎 外野
藤井亮太 UT シティライト岡山

移籍情報の注目ポイント

今オフの移籍情報から注目すべき選手やポイントをまとめました。

  • FA3選手が全員残留!
  • ドラフトは即戦力候補に注目!
  • 内川がセリーグに復帰
  • サンタナ&オスナ獲得で打線強化!
  • スニードのカットボールは楽しみ!

FA3選手が全員残留!

山田と石山はFA権を行使せず、小川は行使したものの残留を決断。まさかの全員残留とは完全に予想外だった。

ちなみに、個人的な見解では他球団の需要が高いのは石山≧山田>小川の順であり、スワローズの必要性では小川≧山田>石山の順だと考えていた。

ドラフトは即戦力候補に注目!

上位1,2位は木澤、山野と投手で固め、4位では遊撃手である元山の指名にも成功。3人とも1年目から活躍が期待できる選手たち。

木澤尚文
MAX155キロを誇るパワーピッチャー。故障経験の多さが気になるところだが、それさえ無ければ将来的にはエースという可能性も秘めている。

山野太一
先発経験が豊富な左腕。地方とはいえリーグ戦は最後まで無敗を続け、70回連続無失点など圧倒的な成績を残している。

元山飛優
守備が持ち味の遊撃手。4位指名ながらかつて宮本慎也が付けていた背番号「6」を任されたことからも期待度の高さが分かるだろう。打撃次第では1年目からレギュラー奪取の可能性もある。

内川がセリーグに復帰

経験豊富な選手のため多くの球団が興味を示していたが、争奪戦に見事勝利。

獲得した当初は一塁のレギュラーとして期待という雰囲気だったが、外国人補強に成功した今となっては一塁のパックアップ兼代打の切り札で起用という感じか。

サンタナ&オスナ獲得で打線強化!

ともにMLBで実績のあるサンタナ&オスナの獲得に成功。今季の外国人野手がエスコバー1人だったことを考えると、この時点でかなりの戦力アップ!

ドミンゴ・サンタナ
MLBで30本塁打を記録したこともあるスラッガー。タイミングが合わなくても逆方向にぶち込めるパワーがあるので、狭い神宮では相当の本塁打数が期待できそう。

ホセ・オスナ
中距離打者であるためサンタナと比べると長打力は劣るが、その代わりに複数ポジションを守れるUT性が魅力的。

スニードのカットボールは楽しみ!

MLBではリリーフの経験しかないが、元々は先発として期待されており、マイナーでは多くの先発経験を積んでいる。スワローズでもまずは先発から試していく方針。

武器は何と言ってもカットボール。ライジングカッターとも呼ばれており、横ではなく上に変化しているような軌道を見せる球。あまり日本では見かけないタイプの球種なので、日本の環境でどこまで機能するのか注目を集めている。

スワローズの補強ポイント

投手と野手に分けて、デプスチャートを基に補強ポイントをチェックしていきます。

投手陣のデプスチャート 2020

赤字は左投手を表している。

スワローズ 投手陣2020
先発 リリーフ
防御率 4.83 4.33
1番手 小川泰弘 石山泰稚
2番手 高梨裕稔 清水昇
3番手 スアレス マクガフ
4番手 石川雅規 梅野雄吾
5番手 吉田大喜 長谷川宙輝
6番手 高橋奎二 寺島成輝

先発陣
エースの小川はノーヒットノーランを達成するなど復調気配に感じたが、シーズン終盤にまた躓きトータルではエースと呼べない成績に。故障さえ無ければスアレスには期待できるが、それ以外は大問題の面々。吉田や高橋などの若手は思ったほど伸びず、新外国人コンビは期待外れに終わる。結局石川に投げてもらわなければ成り立たないというローテでは苦しいと言わざるを得ない。

リリーフ陣
守護神・石山の安定感は流石。また、清水がセットアッパーとして成長してくれたことは今季の大きな収穫だろう。ただ、他球団と比べると支配的な投球が出来るリリーバーが少ないため、まだ物足りない陣容であることに変わりはない。

投手陣の補強ポイント

デプスチャートを基に、スワローズ投手陣の補強ポイントをいくつか挙げていきます。

  • 新たなエース
  • 先発陣の強化
  • リリーフ陣の強化

新たなエース

小川の去就に関わらず、他球団のエース格と肩を並べられる先発がやはりチームには必要。将来的には奥川にそうなって欲しいと期待しているが、彼が一本立ちするまでの繋ぎとなる柱を見付けたいところ。

先発陣の強化

上記では先発の質について言及したが、そもそも量自体が圧倒的に不足している。原や星など伸び悩んでいる面々に期待したいところだが、彼らへの期待は年々薄くなっている。

リリーフ陣の強化

石山が早々に残留を決断したため根幹は出来ている。ただ、今季成長を見せた清水や長谷川が来季順調にステップアップするとは限らないので、やはり質、量ともにまだまだ不安。

また、寺島が先発に再転向する可能性があるので、リリーフ左腕の層がさらに薄くなる恐れもある。

投手陣補強の進捗は?

先発
とりあえず小川の残留が決まったので、エース不在という事態は回避。また、新外国人のスニードに柱となる可能性もちょっとだけ感じるので、少し期待。

一方で、量に関してはスニードの1枚しか外国人は補強しておらず、木澤、山野のドラフトコンビ次第ではまた量に不安を抱えるローテとなりそう。一応寺島が先発に再転向するみたいだが、上手く成功するかは不透明。

※追記(2/26 更新)
先発の追加補強としてソフトバンクから自由契約となっていたバンデンハークを獲得。ここ数年は故障の影響により登板数が少なくなっているが、コンディションは戻りつつあると判断。ちなみに、昨年も日本でプレイしていたため他の外国人より早く来日できるかもしれないが、今のところ入国時期は未定となっている。

※追記(3/2)更新
巨人から田口麗斗をトレードで獲得し、先発候補の枚数をさらに増やした。ここ数年は先発であまり良い結果を残せていないが、スワローズでもまずは先発として起用されるだろう。

リリーフ
一応戦力外から宮台などを獲得したが、今のところ退団した近藤や中澤の代わりさえ補強では埋められていないようにも感じる。こちらは補強ではなく既存選手たちの成長に期待か。

野手陣のデプスチャート 2020

赤字は左打者、打消し線は退団を表している。

スワローズ 野手陣2020
OPS 1番手 2番手 3番手
捕手 .522 西田明央 中村悠平 嶋基宏
一塁 .867 村上宗隆 坂口智隆 西田明央
二塁 .742 山田哲人 宮本丈 廣岡大志
三塁 .762 村上宗隆 エスコバー 西浦直亨
遊撃 .672 エスコバー 西浦直亨 廣岡大志
左翼 .899 青木宣親 山崎晃大朗 上田剛史
中堅 .727 山崎晃大朗 塩見泰隆 坂口智隆
右翼 .596 雄平 坂口智隆 山崎晃大朗

捕手陣
西田が奮闘を見せてはいたものの、正捕手としては厳しい成績。中村は故障、嶋は衰え、古賀は伸び悩みと苦しいやり繰りが続いていた。

内野陣
村上は風格すら感じる存在感。一方で、山田の不調やエスコバーの期待外れにより、トータルではかなり寂しい陣容に。特に、遊撃手の酷さが悪目立ちをしている

外野陣
青木は年齢を全く感じさせない成績。また、期待されていた面々では山崎や塩見に一定の手応えを感じるシーズンだった。一方で、雄平の不調は大誤算であり、ライトにだけは大きな穴が空いてしまった。

野手陣の補強ポイント

デプスチャートを基に、スワローズ野手陣の補強ポイントをいくつか挙げていきます。

  • 外国人の長距離砲
  • 遊撃手の強化
  • 新たな正捕手

外国人の長距離砲

バレンティンがいた頃から多くのシーズンで外国人野手1人体制となっていたことにも疑問を感じていたが、バレンティンが退団した昨年はエスコバー1人とかなり舐めた編成。

狭い神宮が本拠地なのだから、外国人スラッガーを1人は取ってくるのが当たり前だろう。

遊撃手の強化

山田が残留してくれたので二塁に大きな心配を抱える必要が無くなったが、依然として遊撃手が大きな弱点。

「西浦や廣岡で我慢」「長岡や武岡を来季からもう抜擢」「補強で埋める」、この3つの選択肢の内どれを選ぶのだろうか。

新たな正捕手

故障の多さなどもあり、正捕手・中村にも物足りなさを感じるようになってきた。2番手以降も頼りない面々となっており、セ他球団の捕手事情と比べると大きく遅れを取っているように感じる。

また、将来の正捕手として期待されていた古賀に関しては現状不安を感じざるを得ない状況となっており、彼以外で数年後に正捕手を任せられる選手が必要だと思う。

野手陣補強の進捗は?

外国人選手
昨オフの外国人補強には苦言を呈したが、今オフはサンタナ&オスナ獲得と質、量ともに文句なしの補強。

遊撃手
ドラフトで元山を指名したことにより、守備が安心できる選手を獲得できたのは大きいと思う。後は上記の選手たちと競争させてレギュラーを決めていくだろう。

捕手
一応ドラフトで内山を指名したが、高校生&急造の捕手であるため、現段階で過度な期待は持てない。また、正捕手クラスの獲得についても国内に候補が不在のため、補強は出来ず。

総括

今オフのスワローズはジレンマに陥ると思っていた。

チームの顔である山田の退団を許せば、多くのファンからの信頼を失くす。かと言って、山田の残留に大金を費やせば、他の補強に手が回らず下位から抜け出せない。

どちらを選んでも苦しいと思っていたのだが、チームが選んだ一手は「山田も残留させ、なおかつ補強もしっかりやる!」という全く予想していない第3の選択肢だった。

こんな投資が出来るならもっと早くやれよと文句も言いたくなるが、コロナ禍を理由に財布の紐を締めている球団と比べれば称賛すべき姿勢だろう。

意地悪な見方をするならば、元々の戦力が大きく劣っている状況だったので、優勝争いはまだまだ厳しいというのが現状ではないだろうか。レベルの低いセリーグなので可能性は0では無いが、若手や伸び悩んでいる選手たちの成長という重要な問題に対して、余程の成果を上げなければ優勝は見えてこない。

ただ、どん底にいた2020年と比べると、2021年はスワローズファンにとって明るくそして楽しい年になる可能性が高いのは間違いない!

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