2019年のワールドシリーズはナショナルズの初制覇という結果に終わりました。下馬評ではアストロズ圧倒的有利という状況の中、ナショナルズの勢いと執念が勝り見事チャンピオンに輝きました。
そこで、今回はナショナルズ勝利の立役者となった選手たちを紹介していきたいと思います。絶対的エースから未来のスーパースターまで個性豊かな選手が揃っています。
ナショナルズ勝利の立役者となった投手
投手の立役者はやはりダブルエースの二人です。
マックス・シャーザー
ボロボロな状態でも最後まで奮投したエース。
登板 | 先発 | 投球回 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|
シーズン | 27 | 27 | 172.1 | 2.92 |
PS | 6 | 5 | 30 | 2.40 |
シーズン中には鼻の骨折や背中の痛みなどを抱え、PSでは首を痛めWS第5戦の先発を回避するなど故障に苦しんだ1年でした。それでも絶対的エースは奮投し続け、PSでは5度の先発機会全てでゲームを作りDSではリリーフとしても登板するなど常に勝利に貢献しました。長期契約の選手は契約後半に連れてパフォーマンスが落ちるのが大半ですが、シャーザーはどのシーズンでもエースとして君臨し続けています。まさに鉄腕です。
スティーブン・ストラスバーグ
ガラスのエースがついに栄誉を手に入れる。
登板 | 先発 | 投球回 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|
シーズン | 33 | 33 | 209 | 3.32 |
PS | 6 | 5 | 36.1 | 1.98 |
故障が多く満足のいく成績を残せたシーズンがあまり多くない投手でしたが、今季は一度も故障者リストに入ることなく自身2度目の200投球回を達成。PSでも5度の先発やWCでのリリーフなど獅子奮迅の快投を続けました。特に、王手をかけられて臨んだWS第6戦のは投球は凄まじく、8回1/3を2失点とチームの逆王手に大きく貢献しました。そして、この好投が評価され見事WSMVPに輝きました。まだ動向は不明ですが今オフはオプトアウトの権利を有しており、もし権利を行使した場合はストーブリーグの主役になるかもしれません。
ナショナルズ勝利の立役者となった野手
昨季限りでハーパーが退団し打撃面が心配されていましたが、若手とベテランの融合で見事ハーパーの穴埋めに成功しました。
アンソニー・レンドーン
過小評価されていた男が日の目を見る。
打数 | 打率 | HR | 打点 | OPS | |
---|---|---|---|---|---|
シーズン | 545 | .319 | 34 | 126 | 1.010 |
PS | 61 | .328 | 3 | 15 | 1.003 |
毎年攻守ともに安定感を見せる一方で、最も過小評価されている選手と言われ続けていました。今季は打撃にさらに磨きがかかり、OPS1割超えと打点王を達成。PSでも同様に安定した打撃を披露し、WS第7戦では反撃の口火となる一発を放ちました。今オフはFAとなり、ナショナルズ残留を含め争奪戦が予想されます。総額2億ドル越えがほぼ確実視される中、どれほどの契約を勝ち取れるか今後の動向に注目です。
フアン・ソト
驚異の21歳。
打数 | 打率 | HR | 打点 | OPS | |
---|---|---|---|---|---|
シーズン | 542 | .282 | 34 | 110 | .949 |
PS | 65 | .277 | 5 | 14 | .927 |
先日21歳になったばかりの若きスラッガーです。昨年は日米野球にも出場しており、天井直撃の一打などに驚いた方も多かったでしょう。今季もシーズンとPSともに長打力を発揮し、改めてその素質の高さに惚れ惚れしました。ネクスト・ハーパーと評価されることもありましたが、今季の活躍は間違いなくハーパーの穴を十分に埋めるものでした。今後どこまで数字を伸ばしていくのとても楽しみな選手です。
ハウィー・ケンドリック
戦犯から一転ヒーローに。
打数 | 打率 | HR | 打点 | OPS | |
---|---|---|---|---|---|
シーズン | 334 | .344 | 17 | 62 | .966 |
PS | 63 | .286 | 2 | 12 | .773 |
DSではあわや戦犯となるところでした。レンドーンとソトの後ろを打っているため多くのチャンスに打席が回ってきましたが悉く凡退し、守備ではエラーを連発するなど攻守に精彩を欠いていました。しかし、DS第5戦の延長で名誉挽回となる満塁弾を放つと、続くCSではMVPに輝くほどの大活躍。WSでも第7戦に逆転2ランを放ち勝利の立役者となりました。良くも悪くも印象に残るプレイが多かった中で、最終的には無事ヒーローとなりました。
ヘラルド・パーラ
ナショナルズ快進撃の象徴に。
打数 | 打率 | HR | 打点 | OPS | |
---|---|---|---|---|---|
シーズン | 274 | .234 | 9 | 48 | .684 |
PS | 6 | .167 | 0 | 0 | .452 |
実は今季借金12を抱えるほど低迷していた時期がナショナルズにはありました。ここから快進撃を見せWCに滑り込み最終的にはチャンピオンとなるのですが、この快進撃の象徴の一人がパーラです。でも、成績を見るとそこまで大袈裟に言うほどかと感じている方も多いと思います。それでも、彼が快進撃の象徴であることに疑いはありません。何故ならば、彼の見せ場は野球の成績だけではなく登場曲にあるからです。
その曲名は「ベイビー・シャーク」。
アメリカの子供たちに人気の童謡です。パリーグファン、特にライオンズファンの方はピンと来た人もいるのではないでしょうか。実は森友哉もこの曲を登場曲にしており、この曲を採用したきっかけがパーラだったのです。
最初は子供向けの曲を野球の登場曲にしているというギャップが受け、パーラの登場の際に盛り上がっていました。しかし、チームが徐々に勝ち続けていくと、サメの被りものやジェスチャーをするファンが増えていき、やがては選手たちまでもがチームメイトが活躍する度にサメのジェスチャーで盛り上がるようになりました。(単打や長打などによってジェスチャーの大きさが変わっていきます。)そして、ナショナルズの象徴となりチャンピオンへの原動力の一つとなりました。
総括
今回は6選手をピックアップして重点的に紹介してきましたが、もちらんこの他にも素晴らしい選手がナショナルズには揃っており、彼らの力もなければチャンピオンにはなれなかったと最後に付け加えておきます。
今回のワールドシリーズは最強チームと言われていたアストロズが苦戦の末敗れたり、全て敵地のチームが勝つMLB史上初の逆弁慶シリーズになったりと最後まで本当に見逃せない楽しいシリーズとなりました。来季はどのチームに栄冠が輝くのか、今からすでにワクワクしている自分がいます。