今回はフェニックスリーグ2019の成績を踏まえ、ドラゴンズの中で収穫があった選手と課題が残った選手について考察しました。
フェニックスリーグではウエスタンリーグと同様に若手が躍動する試合が数多くあり、期待値が上がりっぱなしです。数年前と比べてもフレッシュさが段違いで、楽しみな若手が本当に増えたのだと改めて実感しました。
フェニックスリーグ2019 ドラゴンズのチーム成績
通算 | 9勝 | 6敗 | 1分 | 勝率 .600 |
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対NPB | 6勝 | 6敗 | 1分 | 勝率 .500 |
フェニックスリーグは若手育成の場なので大きく負け越しさえしなければ問題ないと思いますし、負けた試合でもある程度内容があった試合も多かったので無難な結果だと思います。
フェニックスリーグで収穫があった選手
今回のフェニックスリーグで好結果を残した選手の中から来季に期待ができそうな選手をピックアップしました。
収穫があった投手
山本拓実
来季は開幕ローテを期待!
投球回 | 被HR | 防御率 | WHIP | 奪三振 | 与四球 |
---|---|---|---|---|---|
23.2 | 4 | 2.66 | 0.68 | 7.99 | 1.14 |
4試合の先発機会でどの試合も安定してゲームを作る投球ができました。空振りを奪える新たな変化球・スラッターに手応えを感じつつ、球速は最速150キロをマークするなどかなり順調な秋となっています。結果だけでなく内容も良く、WHIPや奪三振率、与四球率には立派な数字が並んでいます。一軍レベルではこのように順調な投球は続かないかもしれませんが、来季の開幕ローテには間違いなく候補に上がってくる投手となっています。
清水達也
故障で離脱もフォーム探しには進展が。
投球回 | 被HR | 防御率 | WHIP | 奪三振 | 与四球 |
---|---|---|---|---|---|
8.1 | 0 | 0.00 | 1.32 | 7.56 | 5.40 |
相変わらず滅茶苦茶な内容ですが、好結果を残す不思議な投手です。肩の怪我のため序盤で離脱することになりましたが、シーズン終盤から取り組んできたフォーム探しには進展があったようです。現状は山本くんの方がややリードしているように感じますが、与四球率をもう少し改善できれば見劣りしない能力は有しています。肩の故障が軽症だったのは一安心ですが、あまり無理はしないで欲しいです。
木下雄介
圧倒的な成績!
投球回 | 被HR | 防御率 | WHIP | 奪三振 | 与四球 |
---|---|---|---|---|---|
11 | 0 | 0.82 | 0.64 | 13.91 | 0.82 |
何故もっと話題にならないのか不思議なほど圧倒的な成績を残しました。確かにフェニックスリーグはレベルが低く短期間のリーグですが、これ程圧倒的な成績を残せる投手が現状のドラゴンズに何人いるのか。個人的には今季期待していた投手の一人でしたが、故障で出遅れるなど不完全燃焼なシーズンとなりました。来季こそは勝ちパターンに割り込むほどの投手となって欲しいです。
鈴木博志
復活へのリスタートは順調な滑り出し!
投球回 | 被HR | 防御率 | WHIP | 奪三振 | 与四球 |
---|---|---|---|---|---|
11 | 1 | 0.82 | 0.82 | 8.18 | 0 |
シーズン終盤にチームの勝ちパターンは固まりましたが、まだ多くの懸念を抱えており万全な状態とは言えません。勝ちパターンをさらに強固なものへとするにはやはり博志の力が必要です。今回は直球中心で望んだみたいですが、与四球が0と一先ずは良い結果を残しました。よく落ちる変化球を持っていないのが弱点と言われますが、直球とカットだけでも十分に勝負できる投手だと思います。新たな変化球よりもまずは制球の安定を意識して欲しいです。
濱田達郎
フォーム改造で最後の意地を。
投球回 | 被HR | 防御率 | WHIP | 奪三振 | 与四球 |
---|---|---|---|---|---|
10.1 | 0 | 0.87 | 1.16 | 3.48 | 3.48 |
今年の秋はクロスステップに挑戦するなどフォームを改造中ですが、まずは良い結果を残しました。成績を見るとあまり良く見えないかもしれませんが、登板を重ねる度に内容が良くなっていきました。左腕不足はまだドラゴンズの課題でもあるので、新フォームがはまれば支配下への再昇格も見えてくると思います。とにもかくにもこれ以上の故障だけは避けて欲しいです。
収穫があった野手
伊藤康祐
ポスト・大島の一番手へ!
打数 | HR | 三振 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
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51 | 1 | 7 | .353 | .431 | .441 |
毎回恒例の銭闘が終わり大島の残留は決定しましたが、後継者の育成はやはり急務です。現状ドラゴンズの若手外野手は伊藤くんしかいませんが、後継者へと期待が持てる結果を残してくれました。打率の高さはもちろんですが、個人的に評価したいのは出塁率の高さです。今季一軍での打席を見たときはややフリースインガー気味だと思ったのですが、きちんと四球を選べるところもアピールしました。まだまだ足りない部分も当然ありますが、将来の外野レギュラー候補の一人として期待したいです。
石垣雅海
一軍首脳陣を悩ます存在に!
打数 | HR | 三振 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|
58 | 3 | 6 | .276 | .483 | .333 |
シーズン終盤の勢いそのままフェニックスリーグでも好成績を残しました。おそらく春のキャンプは一軍に呼ばれ、開幕一軍を争う選手の一人になると思います。ただ問題なのはどのポジションで使うかです。やはりチームとしては手薄な外野の方が起用しやすいので、この秋でどれぐらい守備が鍛えられるか注目です。あと、今回も頭部の死球があったように死球への対処だけは気を付けて欲しいと思います。
石橋康太
次期正捕手へ期待が止まらない!
打数 | HR | 三振 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|
24 | 2 | 4 | .250 | .542 | .296 |
打数は少ないですがこの成績にはロマンを感じざるを得ません。今のドラゴンズの野手陣で一番苦しんでいるのがやはり捕手なので、その救世主となり得る存在だと思います。他の捕手次第ではありますが、場合によっては一軍での積極起用もありと思います。まだ課題は多いので焦ってはいけませんが、本当に将来が楽しみな選手です。
高松渡
長所を活かし面白い存在に。
打数 | HR | 三振 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|
21 | 0 | 2 | .476 | .476 | .522 |
昨年のルーキーイヤーはメンタル面の問題などがあり、ほとんど見せ場がありませんでした。が、今年は荒木コーチの存在もあってか徐々に自分の長所を活かしたプレーが目立つようになりました。長打が0というのは寂しいですが、それを補えるほどの走力の高さを有しています。将来的にはドラゴンズの鈴木尚広となって欲しいです。もちろんプライベートは似ないで貰いたいですけどね。
フェニックスリーグで課題が残った選手
色々と試す場なので結果だけが全てではありませんが、ちょっと心配な選手を数名ピックアップしました。
課題が残った投手
笠原祥太郎
完全復活にはまだまだ遠い。
投球回 | 被HR | 防御率 | WHIP | 奪三振 | 与四球 |
---|---|---|---|---|---|
22 | 2 | 5.32 | 1.14 | 6.55 | 1.23 |
今季は開幕投手に抜擢されるなど楽しみなシーズンとなりそうでしたが、長年苦しめられていた不整脈の治療により不完全燃焼に終わりました。昨年の成績を見ればチームの力になってくれる投手だと思いますが、復帰後は浮き沈みの激しい登板が続いています。この流れはフェニックスリーグでも同様で復活を予感する登板をしたかと思えば、次の登板では炎上と現状の評価がとても難しいです。何とか来季は一軍での登板を多く見たい投手ですが、過度な期待は禁物だと思います。
福谷浩司
ヘルニアを抱えながらの苦投。
投球回 | 被HR | 防御率 | WHIP | 奪三振 | 与四球 |
---|---|---|---|---|---|
8 | 2 | 7.88 | 1.13 | 9.00 | 3.38 |
個人的にずっと先発転向が面白いと期待しており、今年はついにそのチャンスを手に入れました。春先までは順調なアピールをしていましたが、その後は故障に苦しんだシーズンとなり、さらにはヘルニアを患うなど選手生命の危機を迎えたこともありました。手術を回避し保存療法を選択して、フェニックスリーグではマウンドにも上がっていますがあまり良い内容ではありませんでした。ルーキーの時から好きな投手だけに何とか復活への道筋を見出して欲しいと思います。
課題が残った野手
根尾昂
ドツボにはまりかなり心配な状況。
打数 | HR | 三振 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|---|
62 | 0 | 18 | .161 | .194 | .212 |
まだ一年目とはいえ正直かなりまずい状況だと思います。やはり一番のポイントは多くの人が気にしている三振数の多さです。個人的には三振が多くてもその分長打を量産してくれれば問題ないと思うのですが、その長打もなかなか増えてきません。超人気選手なだけに積極的に起用したい選手ですが、現状は活躍への道筋が全く見えてこずかなり心配な状況です。
- ※注意事項
- これらの成績は独自に調査したものなので、多少の誤差がある場合があります。